　発泡顆粒というのは簡単に言えば炭酸の粉。

　胃のバリウム検査の時に使う。

　味は酸っぱい、ただ酸っぱい。

　少量の水かバリウムで一気に飲む。

　胃の中で発泡し、胃をパンパンに膨らませる。

　後はバリウムを飲んでもらい、右向き左向きと体を動かして、胃の壁にバリウムを付着させて撮影する。

　できるだけ一気に飲まないと胃の膨らみが悪い。

　たまに飲み込むタイミングを失う人もいる。

　飲み込まないと口の中で発泡、頬がどんどんふくらんできて……噴出！

　吹き出した方は、「すみません、すみません」と言いながら謝り、「いいですよ、大丈夫ですよ」と言いながら周りを拭く。

　健診でやってきた人は『炭酸が苦手！』

　バリウムは飲めても胃が膨らまないと検査はできないと告げる。

「じゃあ、ゆっくり飲んでみます。」

　と言うと飲み始める。

　ほんとにゆっくり少しずつ、舐めるように飲んでいく。

　これは……無理なんじゃないか？

　全部飲み終えて透視で確認。

　膨らんでない……

　検査中止。

「来年は頑張ります。」と言って帰っていった。

　いや……来年は胃カメラにしようよ。

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