撮影条件

 X線画像を撮影するにはX線を照射するが、この線量はいつも同じではない。

 指のような小さな部位では少なくして、お腹などの大きな部位は多くしている。

 指をお腹の撮影条件で撮影すると画像は真っ黒になり、お腹を指の条件で撮影すると真っ白、なにも写らない。

 この撮影条件は電圧と電流、照射時間で決まる。

 この3つをうまく組み合わせるときれいな画像が撮れる。

 この撮影条件は装置によって異なるので、どの施設にも撮影条件表が置いてある。

 この条件表を見て条件を設定し、体格の良い人だとさらに条件をアップ、華奢な人だと下げて撮影する。

 この条件設定には経験とセンス(?)が必要……

 たまに条件を誤って撮り直すこともある。

 一度間違えて再撮する時は、もう絶対間違えてられないとドキドキ。

 以前いた病院は電圧を1キロ上げすぎると真っ黒、1キロ下げすぎると真っ白になるシビアな装置があった。

 いつも緊張感でドキドキ、冷や汗を流しながら撮影をしていた。

 だが、これは昔の話!

 最近は条件表通りに撮影すると後は勝手に装置が適正な画像にしてくれる。

 全くでたらめな条件で撮るとダメだが、ほぼ誰でも撮れる。

 腕の見せ所がなくなったと嘆くベテランの技師もいる。

 いい時代になったなぁと思う。







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