胸部X線撮影
健康診断などでお馴染みの硬く冷たい板に胸をつけて、『息を吸ってー、止めて!』というやつ。
一番撮影数の多い部位だが、これがわりと難しい。
まず肺のてっぺんが欠けやすい。
肺尖という部位だが、肩の筋肉の下にある、細身の女性の方だと筋肉が薄く肩の皮膚のすぐ下が肺尖。
そのため息を吸った時に肩が上がってしまうと欠けてしまう。
次に難しいのが左右の肺のどちらかが欠けること。
人の体というものは見た目ではまっすぐでも、左右どちらかにねじれていることがしばしば。
まっすぐな体位にしてもどちらかに偏位していて欠けてしまう。
さらに最も難しいのが肺の肩甲骨を重ならないようにすること。
肩甲骨は肺の後ろにあり、そのまま撮ると重なってしまう。
重なるとそこに病変があると見つけにくい。
なので、腰に手のひらの裏を当てて、肘をグーっと前に押した体位にする。
この体位にすると肩甲骨が左右に開いて肺との重なりがなくなる。
肩の可動が良くない人、筋肉質の人は開きにくい。
きちんと正しい胸部X線撮影は難しい……
ベテランの技師さんなどは『放射線技師は胸部に始まり胸部に終わる』とよく言う。
なんか……ちょっと、カッコいい。
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