㈡
「月華高校から転校して来た西条望です。よろしく」
挨拶して席に着くと教室中がざわめいた。
「西条君、分からない事あったら聞いてね」
「よう、部活何に入るんだ?」
休み時間になった途端、わらわらと周りに生徒が集まって来た。
転校生は珍しいのかとノンビリ考えながら、周りを見渡す。
このクラスには特に不審な人間も、取り立てて危険な霊も居ない。
どうやって怪しい奴を探せばいいのか考えていると。
「西条、ちょっと来てくれ」
体育会系で浅黒い肌にガッシリした体躯の担任の後藤田が呼んでいる。後を着いて行くと校長室に入った。
「望君、初日はどうかな?」
髪がまっ白でヒョロりとした影が薄い校長と、向かい合わせに座って、山口さんがお茶を飲みながら問う。
「山口先生、オレの教室には怪しいモノは居ませんでしたよ」
刑事の山口さんも潜入の為に、教師に扮していた。
目立たぬ様に伊達眼鏡を掛け七三分けにしているが、隠しきれないイケメンが漏れ出て早くも女生徒ならず、1部の男子からも熱い眼差しを送られている。
「ばーさ……じゃなく、祖母は何処に? 何で、この学校が怪しいと言ったんですか?」
そういえば、この処ばーさんの姿を見ていない。まさか! 何かあったんじゃ……。
「
ばーさんと、この影が薄い校長が知り合い? 可哀想に、長い年月振り回されて来たんだろう。
その時、校長室のドアをバァンと開け放ち、仁王立ちになったばーさんが姿を現した。
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