参霊 望VSおかま幽霊

round①

 今日は厄日か? オレは学校の前で、深い溜め息をついた。

『何か用事でもあんのか?』

 最近ストーカーの様に、後を付けている男に問掛けると、奴は、気が付いてくれて嬉しいと言いたげに腰をクネらせて、オレに近寄ってきた。

『気が付いてくれて嬉しいわン。アタシがちゃんと更正したとこを、望チャンに見て貰おうと思ってたのヨ〜』


 幽霊の癖に、何が更正だあ?

 激しくツッコミたいのをグッと我慢して、オレはオカマ幽霊に言ってやった。

『とにかく、オレは学校に行かなきゃいけない。お前の相手をしてる暇は無いんだ。話なら後で聞くから帰ってくれ』

 冷たくズバッと言い放つと、後ろを見ずに教室に入って行った。


 HRが始まり、かったるいな~と横を向いたら、オカマ幽霊が隣の席の優等生でクラス委員の田仲信也に乗り移る所だった!

『おい、更正したんじゃ無かったのかよ!』

 必死に説得したものの、奴は田仲の中にすっかり入ってしまった。そして、あろう事かオレに抱きつき叫んだ!

「一度、望チャンを抱いてみたかったのよネ~あ~幸せ~」


 彼(田仲)がホモだと学校中に知れ渡り、転校したのは言うまでもない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る