第16話 あ、話が、仮面に戻ったぞ。ありゃ。ありゃ。めぐりめぐって、マスクの文化と話が、中東地域にも広がってきたみたいだぞ。

 「おぎゃあ、おぎゃあ!」

 「かわいいかわいい、赤ちゃん…。でも、私は、あなたの産みの親ではないのよね…」

 ここで、仮面が登場。

 …こう、しちゃいました。

 「授乳をしてくれる、育て専門の親には、仮面をつけさせた」

 赤ちゃんからは、母親の顔が見られなくなった。

 「これで、あの女性を、母親とは思えなくなるだろう」

 「顔が見えないのでは、赤ちゃん、次期将軍様からは、あの女性にたいして、愛情が生まれないだろう」

 「これで、赤ちゃんを、手放してくれるだろう」

 「面倒なことにならなくて、すむ」

 ひええ…。

 江戸時代の将軍は、仮面によって、出生をコントロールされていたこともあった。中東地域の女性たち以上の、悲しみかもね。

 こうすることで、社会に混乱が起こされないようになったとか。

 日本人は、たしかに、マスク慣れしていた民族だろう。けど、こういう、逆慣れ感覚も生んでいたのか。

 考えさせられる話、でしょ?

 今度は、江戸の、城以外での話。

 江戸時代、町では、こんな声が聞かれたこともあった。

 「面(おもて)を、上げい!」

 日本人の仮面意識が、わかってくる。

 面を上げいと、偉い身分の人から声がかけられるまでは、顔を見せられなかった時代もあったんだね。

 話は、戻って…。

 イランや湾岸の国々も、仮面生活の様子が見える。

 こちらでは、仮面が、日常で、身近で当たり前のアイテムだと思われるようになってきたのは、19 70年代以前から。

 彼女が生まれる、30年以上も前からだ。

 仮面は、近代化の進んだ、中東地域の女性には、フツーの、おめかしスタイルだったらしい。

 アラブの石油王の話じゃないけれども、バンバンバンバン金があって、すんごい高いビルなんかが、建ちはじめたころ。

 ありゃ。

めぐりめぐって、マスクの文化が、中東地域にも広がってきたぞ。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る