第15話 あれ?中東の女性の仮面話が、江戸時代の、仮面女性の話に、つながっちゃったぞ?日本人は、昔から、マスク慣れしていたのかな?

 「マスクをつけるのって、当たり前?」

 「かもね」

 「皆が、マスクつけているもの」

 「じゃあ、俺もつけよう」

 「私も」

 日本人は、昔から、顔を見せたり見せなかったりのバランスを上手く保って、生きてきた。

 「素顔の見せ方感覚の、日本文化」

 だからこそ、素顔が見えたら別れたくなっちゃったっていうようなカップルも、出ちゃったんだろうけれどね。

 考えさせられる仮面の話は、江戸時代にもあった。

 「将軍様の世継ぎの、誕生だ!良し!」

 …は、まだ、早かった?

 次期将軍となる赤ちゃんが産まれてきたのは、良い。

 しかしここで、現代とはちょっと違うことが起きた。

 「誰が、育てれば良いのか」

 将軍家などでは、産みの親と育ての親が異なることが、あった。生まれたばかりの次期将軍を育てることが専門の女性が、いた。赤ちゃんを育てるのが、本当の母親じゃないっていうことが、あったなんて。

 身分の差、将軍制度の考え方が理由にあったんだろうけれど、つらい話だよ。

 生まれたばかりの次期将軍を育てることが専門の女性は、本当の母親じゃ、ないわけだよね?

 いずれは、赤ちゃんと、離れ離れになる運命。

 困ったぞ。

 本当の母親ではないその女性が、赤ちゃんに愛情を持っちゃったりしたら、離れ離れになりたくなくなっちゃうじゃないか。

 どうするの?

 抱きかかえる赤ちゃんを見て、何を思う?

 「自分が腹を痛めて産んだ子でなくても、かわいいのは、かわいい。ああ、私の今抱く子は、私にとっての、何なの…?」

 愛情に、ブレを出しちゃう。

 「…良し、良し。良い子、良い子」

 こうして抱きかかえていれば、どうしたって、その赤ちゃんに愛情が移ってしまうんじゃない?

 それでも、その育ての女性は、次期将軍に乳をあげてあやすだけの(ひどい言い方?)役。

 ここで、仮面が登場しちゃうんだな。





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