第562話 VS勇者パーティ
クラーケンの解体は結構疲れた
超がつく大きさだったし出し入れに力が必要だったのかもしれない、あまり自覚はないけど
とーさんもきたし後は任せてルールのお腹で寝た
夜中周りがゴソゴソしてると思ったらやけにサラサラ・・毛が長い?
「あれ?フィル?」
「そのまま眠るが良い」
横に追いやられたルール、頭の上でヨーコがそのまま寝ている
いつもと違う、やけにいい香り
だけどいつもの体温いつものフィルだ
そのまま寝ると・・・気がつけば朝になった
「おはようございます、このような衣までありがとうございます」
「よく似合ってるね、エゼル、おはよー」
いつもの黒煤けたような色の着物ではない、桜の柄の着物
一人だからか胸元が大きく開いている・・見ないようにしないと
「どこか鍛錬できる場所はありますか?」
「勿論、案内するね」
ダリアとフィルは寝てるし手を引いて歩いていく
魔力の感知は完璧ではないし、エゼルは何もしないでも転けたりはしないけど魔力の薄い信徒とぶつかったら信徒が危ない
エゼルが驚いて城ごと斬りかねない
「エゼル、お願いがあるんだ」
「何でしょう?」
「予言を覆すのに僕も鍛えたいんだけど手伝ってくれる?」
「それは、えぇ、無論このエゼルお姉さんがお手伝いしましょう」
闘技場の信徒を客席に行ってもらって僕も本気で戦えるだけの装備になる
鎧甲冑、つけやすいものだがしっかりと装備する
袖や裾に[カジンの捕縛布]を出す、初めから全力スタイルだ
神様製の神器である杖は壊れないしそのまま使うが武器は木の剣だ
エゼルにも木の剣を渡す
「しかし、本気ですか?」
「うん、あ、ここの聖騎士部の人達は護りの魔法も使えないから当たらないようにおねがいします」
「わかりました・・怪我は覚悟の上なんですね?」
「うん」
「大恩あるヨウスケ殿にこんなことはしたくないのですが・・仕方ありませんね」
「じゃあ始めよっか」
「はい」
エゼルには魔力豊富な僕はよく見えてるだろう
剣を構えることもしていない
僕を相手にそんなことをする必要すらないのだ
対して僕は右手に片手剣、左手に杖、触手のように使う[カジンの捕縛布]に関羽や鍛冶に詳しい信徒に作ってもらったクナイを持たせて、突っ込む
―――――・・・容赦なくボッコボコにされた
「やはり、戦闘に向いてはいませんね」
「・・・・・そう、だね」
僕に直接戦闘の才能はない
少しでもあれば戦神や武神軍神が加護を授けてくれたはずだし、試しても身体が不調になるだけだった
「ちょっとまってね、変身して装備変えるから」
「変身・・?」
だけど、それは子供の身体での話で今は大人に近い体になれる
そして魔王の侵略もなく、皆が飢えているわけでもない
街が火の海に包まれて今すぐなにかしないといけない状況でもない・・・対処しようと努力できるだけの時間もある
山田に手伝ってもらって装備を整え、大人の姿に大人の装備で立ち向かう
この体のほうが力は出せる
自分に出せる限界のスピードでエゼルに近づき、寸止めする気もなく首を横薙ぎしようとして
―――剣に当たるはずだったエゼルが身体の近くに居て、手首を掴まれてそのまま玩具のように地面に叩き落された
「踏み込みが甘いです!・・さっきより弱くなってますよ?」
「けふっ・・・・・・だよね」
ただ力は出ても才能があるかはやはり別
肋骨がまとめて治る嫌な感触を感じる
エゼルの手を両手で全力でつかみ、そのまま4本の捕縛布で攻撃する
先には金属製のクナイがついているがエゼルに当たると思った瞬間、全部そのまま地に落ちた
わずかにエゼルが動いたことはわかったけど何をどうしたのか全くわからなかった
「面白い使い方です、治療者としては素晴らしい攻撃でした」
「やっぱり通じないか」
「ヨウスケ!だよな!?面白いことやってるじゃねぇか!俺も混ぜろ!」
「周りに配慮して、ね!」
ダリア、セーセルリー、フィル、アダバンタス、ニロン
誰と戦っても全然勝てない
ただいくらでも治るように治癒の魔力で治り続けるし抗い続ける
多分昼までに300回ほどは骨が折られて、全身血だらけになって訓練はやめた
「大丈夫なの?洋介?」
「全然、ダメだね」
心配そうなはるねーちゃんだが、うまくいかないなぁ・・・
そもそも戦うにしても後方支援が主で、色々奇策や突飛な戦闘方法で戦って、高価な武器を使い捨てにするように使ってやっと生き残れた
そもそも僕が戦うってことは、こんなに強い仲間を抜けてくる敵が居たからだった
僕は自分よりも強い相手に即死せずに戦闘を長引かせることだけ考える戦闘方法で、それでも何度も潰され、打ち据えられ、千切られた
そもそも僕は直接戦うには弱いのだ
もっと本気で爆弾や毒を使って、更に【神の裁き】の魔法で神様から力をもらって今よりも速く強く動いたらもう少しは戦えると思うけど最後の手段だ
あれやると後でめちゃくちゃ身体が痛むし下手すれば廃人になりかねない、ガレティレみたいに身体に適正があるわけじゃない
流れ落ちた血はすぐに結晶化する、ジャリジャリとした結晶体を髪から払って着替える
昼ごはんだ
はるねーちゃんがなにか言いたげだがしゃべらない、無駄に心配させるだけかもしれないしね
「元杉!良いものが出来ましたわ!是非ご覧になってくださいませ!」
「ヨーコどうしたの?パスタ食べる?」
「いただきますわ!」
戦場でも食べやすい料理ということでパスタを紹介していた
乾麺で長持ちするし、水は魔法使いがいるしお湯にするには火の魔法使いもいる
それに世界を回ってるとパスタソースが結構あるからいいのではと簡単に作れるミートパスタを教えていた
日本式で茹でたパスタの上にソースを載せるようにかけてもいいし、作る過程で混ぜても良い
腹持ちもよくて、多分味付けもこういうのが嫌いな人はあまり居ないんじゃないかな?
「これは?」
「CGです、まだ証言とイメージは完璧に一致してないしある程度パターンが有るので途中ですがだいたいこんな感じに未来予知はされています」
ヨーコは田辺を連れてきていて、ケテスティアさんの予言どおりにパソコンでその画面を作ってきてくれたのだ
判子のようなのが僕でまず僕はいきなり一人でその場に降ってくる
闇が深い場所で、黒い別の判子が僕の左前の空中から出てきて、目か首が切られる
敵の女性と爺さんがいてアンデッドを奥から召喚したり、別の敵もわんさかでてくることもある
ただ、地形的な情報がわかりやすい
巨大な井戸の底のような場所、深い噴火しない火口に夜落とされた?
「外ではないの?」
「星空のようなものは見えなかったそうですし、どこかの建物の地下ではないかと」
とにかく僕は一人で何処かに現れ、そして落ちて切られて、抗おうとしても敗北する
なぜそこから始まるのか、それがいつでどこなのかもわからない
「で、洋介?死の予言って何よ?」
―――――あ・・・・
ニッコリしたはるねーちゃん
いまがぼくのめいにちかもしれない
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