第563話 ザウスキアの中心で暇を持て余す
「待つのは退屈だなー」
「恐怖公、現魔族王の一人が何を言ってますか?」
「おーきたかー」
長椅子で最高級酒を飲んで寝ていたが珍客が来た
呼んだのは俺様だが
「来たかーって、私は貴方の仕事をやってたんですよ?兄上」
「悪いな、で?報告は?」
「選抜した魔族2000を連れてきました、隷属もかけてるし裏切りはないでしょう」
「よくやった、俺様が居ない間に他の氏族王はどうしてる?」
「全員主のため、魔族のためにと停戦協定に同意、人に習って魔族連合軍を立ち上げました」
「そーか・・」
暇で暇で仕方がない
万全の準備をするにしても俺にはもうやることもない
フレン老とガルーシャが全部やってる
主に聞いても小僧と会うのがいつになるかはわからんそうだ
星のめぐりがどうとかで・・今日になるか、明日になるか、10年後になるか・・・
10年後と聞いて俺様も力が抜けた
10年も経っていたら小僧はともかく他の国を潰し終わった後なんじゃないかと思うし、俺様以外にも働いてる奴らはいる・・他の奴らがうまくやるならやるでそれもいいだろうさ
幸い、もしもその時が来るなら数日前にはわかるそうだし俺はただ待つだけ
暇つぶしにまた何人かまた恐怖に・・・
「お、そうだ」
「どうかしましたか?」
「この後、連合軍の貴族に会うんだがそろそろ殺そうと思ってな、よかったらいるか?」
「勿論!久々の拷問で腕がなりますよ!ありがとうございます兄上!!」
「連合軍の情報は吐かせること、約束できるか?」
「はいっ!あ、拷問器具磨いてきますね!兄上の投げ出した事務仕事でなかなか出来なかったもので!!」
せわしなくでていってしまった
あいつ拷問好きだしな
俺様が恐怖を植え付けるのは性分というのもあるが神への約定でもあるからしているがその場でやるだけでそう時間はかけない
あいつは自分の楽しみのためにねちっこく、時間も手間もかけてやるから見ていてじれてしまう
良くもあんなに時間をかけられるものだ
人が恐怖で狂い、恨み、呪うのが良いというのに、その寸前でじわじわ追い詰め続けて何が楽しいのか?
・・・・・まぁいい
あの小僧の仲間と戦ったのは収穫だった
でかいのはアダバンタス、大きな時は天にまでその体が膨れ上がるのだとかで無茶苦茶な戦い方もしてくるそうだが身体に見合わず叡智にあふれた賢将であるのだとか
俺様を殺そうとしたのがシーダリア、武神の加護を持った英雄
更に勇者足り得るだけの攻撃力を持ちながら勇者成り得なかったエルフ、やつの剣には干渉できた
敵の最高戦力を二人殺せて、一人は相性がいいことが知れた
ムカつきはするが戦果としては充分だろう
もうこの戦争でやれることはないかもしれん・・小僧を殺せれば最高かもしれんが・・・他に呼んでる魔族共にも出番を用意しないと後がうるさいかもしれない
館の広間に行き、人間の貴族と顔を合わせる
「で?連合軍の様子はどうだ?」
「主に置かれましては・・「違う、俺は主ではなく王だ・・・恐怖公と言われている」
「ししし、失礼しましたっ!!」
俺様たち三人が動いていたのは裏切り者対策
人間側に裏切るものがいるように、魔族にも裏切るものはいる
魔族は人からも生まれるだけあってどっちつかずなクソも多い
こんな戦争、主だけいれば勝てるだろうにな・・・・・
この局面、もはや隠れる必要もなくなってきた
だからこそ弟が堂々と精鋭を連れてきたんだろうが・・隷属させているということはまだ油断はできないのだろう
―――あぁ眠い
「これで報告は以上か?」
「は、はいぃ」
「褒美をとらせる、別室にて受け取るが良い」
「へへっありがとうございます!魔族軍の勝利の暁には我が領地からとっておきの品々を献上させますゆえ!」
「うん、楽しみにしてる」
「では、失礼いたします」
うん、本当に楽しみだが仕方ない
弟にやるって言っちゃったしな
こいつの護衛も皆殺し、化けるやつに戻らせて・・・また寝るか
「はぁ・・」
さっさと、小僧、来ないかなぁ・・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます