第425話 魔法学校準備・・とは言え必要なのは■■


魔法学校の開設



部屋もある、場所もある、杖もある



だから人に来てもらって【清浄化】の魔法を教えるだけだ


まずはこの魔法だけで他の魔法は教えない


うまく行けば耐霊や治癒の魔法も教えたいところだけどまずはこれだ



きゅうりの栽培に忙しい阿部が時間を見つけては大気汚染や瘴気の現象を【清浄化】で減らせるか検査したが確かな結果が出ていた



「意味がわからない・・・だがこれも新たな法則、未知への探究・・・あぁ、美しい・・・・!!」


そう言って僕の【清浄化】に向かって顔面を近づけて全力で呼吸していた



た、楽しそうで何よりだ



「すぅ~~~~!!!!はぁ~~~~~!!!!!!」



うん、こういう人がいるから世界は進歩するって技術のテレビで・・・・




カポ



杖の先を咥えられた


「こおまま!もっほぉ!!もっほぉ!!!」



怖い、普段は知的なんだけどなにか調べる時の阿部はとても怖い



アム・・


「あがががが?!」



なにか酷く盛り上がっていたがルールが頭を噛んで持ち上げた





とりあえずテストということで信徒の中で希望者を集めて見せた


【清浄化】は信仰があまりいらない、魔力から単純な魔法を出すだけ


ただその感覚をつかむのが難しいし人によって摘性がある


竹村のように単に未熟なだけの可能性もある



教室で試しにやってみた



「怪しい宗教にしか思えません」

「うさぎ小屋のようです」

「駄目です」

「炎上しそうですね」

「すぐに生徒を集めなくて正解です」



「・・・・・あれぇ?」



駄目だった


教室は緩やかな傾斜がついていて皆の顔が見れる


はるねーちゃんの大学の教室にもこういう部屋はあったしいつの間にかそういう部屋ができていた



やってもらおうとしたのが魔力を感じてもらおうという初期段階だ



ダイドンの茎、食紅というものを魔力を込めた色付きの水、普通の水を机の上に並べて飲んだりしてもらう


勿論スープもある



それだけでも知覚出来るかもしれないが机の間に聖騎士部の見習い達の中でも魔力放射のできるようになった人を用意して公園の太極拳のようにストレッチしながら魔力放射をしてもらう


彼らが出す魔力を少しでも感じ取れるかもしれない


信徒たちは座って飲み物と茎を食べてもらって、魔力を感じ取るだけ・・・簡単なはずだ



「何が駄目?」



「服ですね、怖いです」

「エレレレレレ・・味も悪い、おぅえっ」

「怪しいです」

「映像もすこしグロいです」



教室の前にスクリーンを設置して『魔法の実例』を流している


ゴブリンを単純に魔力放射で爆散したり、水上を走る映像だ


聖騎士部の人々は一般人には怖いという意見もあった



筋肉のラインが浮き出てムッキムキだ



それに防具や武器というのはすれ違って引っかかっただけでも硬質なため怪我をすることがある


普段から怪我をするような訓練をして皮膚が厚く硬い人も居る


だから全身を白い布で覆っているのだ


身体をくまなく覆うことで聖騎士も魔力を出す感覚を再認識できる


口も魔力を出せるし覆う、目だけは穴を開けて周りが見えるようにする



何が悪いんだろうか?



「怖い」

「怪しい」

「酷い」

「宗教っぽい」

「呪われそう」

「悪魔の儀式みたい」



酷い言われようだ


魔力放射しながら全身清潔な白い布に覆われた人はダメと・・画期的だと思ったんだけどなぁ・・・・・


しかし、それが常識なのだろう


うん、新たな信徒や希望者もいっぱいいるし、外部の人間が来る前に何パターンか試してみよう


魔法だってレアナー様に祈りと魔力を捧げて使う祈祷式以外にも魔法陣を使うやり方だってあるし、もっと魔力を知覚しやすい方法だってあるかもしれない


とりあえず教室の床を全て魔法式を書き込んで見るかな!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る