第398話 麻酔も麻薬も駄目らしい


なんとか患者をさばいていく


いくらでも魔力はあるし治せはするけど人1人をしっかり治すのなら1人ずつやらないといけない


ここに来る患者は基本的に現代医療の限界でも治せない患者たちだ



臓器がないドナー待ち患者とかは僕とせーちゃんしか治せない、レアナー様の神像でも治せるかもしれないが時間がかかりすぎる


黒葉も結構治せるようになってきてるけどそれは僕の魔力と自分の全部を出し切ってやっとだ、だけど一応上位神官か大神官でいいと思えるぐらいには成長している


僕は触媒も詠唱もなしに神器である杖を使って治せるがせーちゃんはそうは行かない



「普通の治し方だと患者に負担があるから、ゆーしゃと同じやり方は出来ない」


「そうなんだ」


「でも、魔力の負担は僕達でも日に数人が限界だったのに今は何人でもできそう、ありがとう、後で撫でて」



そう言って魔法陣を地道に描いて高価な触媒を使って黙々と治していっていたのでもっと触媒の少なくて良い四肢や皮膚の病気を任せる


そのあたりなら臓器を増やすよりも触媒はいらないはずだし、治療に失敗しても僕が治せる



火傷の痕はこちらでは消毒が大事らしいのでそこだけ注意する


それとポーション飲ませたり麻酔や麻薬を入れるのもダメ


はるねーちゃんには自分を大切にしろと言われて納得したけどやっぱり怪我の質というのはあると思う



治療はLIVE動画で流してる時もあるしやっちゃいけないこともある



子供も見るからってのは聞いたけどこういう大事な部分はむしろ子供の頃から見るべきものじゃないかな?


戦場でも兵士がパニックになったり治し方がわからずに傷口を焼いたりして悪化させる人もいたし



「だめだ」

「だめよ」

「アウトです」

「やめなさい」

「良いのでは?」



康介伯父さん、はるねーちゃん、黒葉、母さん、ヨーコの意見だ


基本的に僕とヨーコの意見は反対される


何が駄目かというとやはり『常識だから』である、しかたない


こちらでは薬は認可が居るらしい・・・・つまり薬はダメと


それと治療なのに切ったりはダメらしい・・・・・・・・・・・・・えー


暴れる患者のためにも良いと思ったんだけどなぁ


だいたい麻酔も麻薬も医療用で使えるのにレアナー教の治癒目的ではだめなのか、認可がどうのとホワイトボードで図解付きで説明を受けた


LIVE動画中だけはせめてまともにしようとのこと・・・・・まぁ患者はいっぱいいるしずっとLIVEしてるわけじゃないから良いんだけどね



<しかたないですぅ>


「縄で縛るのはどうでしょうか?」


「それで怪我する人もいるし、打ち上げられた魚みたいになる人もいるから・・・難しいね」



洋介チャンネルで治している動画をLIVEで流しているがお金をいっぱい貰える


理由はわからないけど珍しいのだろう



石化する人間の意識の有無はこちらで決められるから治療目的で入った人は体感で一瞬だろうけど付き添いで来た家族は客間エリアに居る


数が多すぎて管理が大変だ


なにせ千人以上も居るし、順番もある



ここまで来る、客間エリアと治癒待機エリアに入れる、治癒のために出す、治癒する、人によっては暴れる、落ち着いたら山道のこみ具合もあるしショッピングセンターのエリアあたりで待ってもらう、祈ったり聖句を聞いて帰る人もいるし支払わんぞと暴れるやつも居る、その間も患者は来続けているから道の状態を見計らって帰ってもらう、帰らずに信徒になってここで働く人も居る



一人一人意識のある人は信徒になるか、寄付を払うか確認しないといけないけど治療の前になって「大丈夫だ、帰る」って人もいる


なぜか健康なのに病気だから治してくれとかもいて・・・なかなか時間がうまくつかえない


とーさんとかーさんが魔法の練習をしてくれているけどまだまだだ



はるねーちゃんみたいに本人の意識がなく成人の場合でも治癒魔法を使って良いことになった



寄付の申請に同意書にサインまで家族にしてもらわないといけないしとても面倒だけどこちらではそれが当たり前なのだから仕方ない


ごーにいってはごーにしたがえらしい、いみはわからない


日本でも高齢者の家族の治療の同意なんてのがあるし・・良いと思ったけど後で違法だって騒いだり支払わないというやつは居る



治癒する前に戻すことはできないからレアナー教国ではすぐに顔に刻印をいれて街から退去させる


街の中では誰も何も売らず助けず宿もなくなり、魔物に襲われても自己責任になる、聖騎士達がついて回って死ぬか謝るか国外追放までの練習台となってくれる



日本ではレアナー教との契約を悪意からおろそかにした場合は意識のある状態で石化することにした、みんなすぐに謝ってくるけどね


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