第381話 ヨーコとお家(?)デート


ヨーコが使者として吾郷のところに行っていたのだけど帰ってきた



「チビ!肉美味かったぞ!!」


「ずるいですわ!?」


「いなかったんだからしょうがないじゃない」


「それでもずーるーいーでーすーわー!!」



ということでデートすることになった


しかし日本の近くのショッピングセンターとか危険すぎるし父さんと三上の作った城の未公開エリアを見ることとなった


この城、見た目も大きいが中はもっと広い


祈りの間、玉座の間、会議室、個室、炊事場、洗濯場、結婚式場、巨大なお風呂、プール、遊園地、闘技場、訓練場、牢獄エリア、客間エリア、地獄エリアなどがある


しかしいつの間にか増えている


増えた場所は行けないようにしているが変なエリアが多い


ショッピングセンターっぽい部分や森、畑、畜産、解体場、ランニング、風車、ロッククライミング、空、劇場、大学の講義室、ミャーゴル用獣舎、応接室、お化け屋敷、金庫、料理店、街、迷路、熟成エリア、食料庫エリア、ゴーレム保管庫、武器庫などなど僕も知らないエリアもあるし危険な場所も多い



多分この城、管理人格以外に見えない精霊でも放っていて僕らのことを見ている



ロッククライミングなんて僕が体験したものだ


空は多分【浮遊】や【飛翔】の魔法の練習しろってことなんだろうけどうっかり入ると怖い、落下し続けるしね、地面には落ちないけど


ロッククライミングは見た目だけで壁の表面がつるっつるで絶対つかめないような石もある


大学の講義室なんて机にキャスターがついているのにがっちり床に固定されていてノートパソコンも机にあるけど机の一部となっている


ミルミミスは空中エリアで落下しないけど落下し続けるのが気に入ったのかそこで竜になってるし、信徒達の部屋も増えて・・いいことばかりなんだけどね・・・



でも結構怖い



迷路とお化け屋敷なんてめっちゃ怖い


大学のお祭りを見に行った時にあった脱出ゲームってやつも出来るけど高さ5メートルの場所に出口があったりして一般信徒は絶対に脱出できないしお化け屋敷はゴーストが出てくる



「いつも人がいなくて退屈でしたの!」


「ふーん」



ポップコーンとコーラをもってきたヨーコ


この部屋は形だけ出来ていたので機材を三上さんがいれたらしい


ハイキュー?会社の問題がどうとかで新しい映画は見れないらしいけど機材は業務用のものを買い取って使っているそうだ


始まった映画はアニメ映画で僕の知らないものだった



「今のはどういう意味ですの?」


「ピブルルル?って笑うようななきごえかな?」


「漢字で出たあれはなんですの?」


「必殺技を英語で言って漢字で書いたものかな」


「ぱりたるめもりたるでぃすてぃに・・・なんですの?」


「なんだろうね?」


「あの男の浮気は死ぬべきですわ」


「せめて鞭打ちにしようよ」



翻訳魔法は自分が相手の言葉を話せるものと相手の言葉を自分が話せるようになるものがある


だからこうやって魔道具や機械を挟むことで全く意味がわからなくなったりする


僕も一部分からないし結構勉強になる



この部屋ちょっと面白いのがポップコーンもジュースもこぼせないことだ


ポップコーンを投げたら消える


目に魔力を集中させると薄い精霊がご飯にしている


浮気者のシーンでお怒りだったヨーコが飲み物をこぼしたが消えた


・・・・・映画館って多分こういうものじゃない気もする


映画が終わって田辺に字幕をつけられないかと聞いてみた



「文字のテンプレートがあれば一応可能です」



と言っていたけど字幕があれば便利だよね、てんぷれーとはわかんないけど


日本語の字幕はついていたけど僕らには読めない文字も多い、日本語って難しい


それなりに映画を楽しんでショッピングセンターエリアに行くと信徒たちが商品を用意して待機していた



「いらっしゃいませ~」



未公開エリアだけど実験的に使うことになった


客が僕らしかいないのでお店の人たちのほうがとても人数が多い



「こちらの服のほうが今の元杉には威厳もあっていいですわ」


「そう、かな」


「せい・・・お客様とても良くお似合いですわ!」



一応買って【収納】に入れておく


ヨーコが買ってくれた服はいくらなのかはわからなかったけど先に渡された5000レアナーで足りたようだ


お返しに2980レアナーを使ってマフラーってのをプレゼントする



この城の中で使える独自の通貨で実験的に使う



遊園地もあるし将来的にここを一般開放する可能性もあるらしい


神官や信徒、一般人などで通貨レートや割引きが違うとかなんとか・・・こういう待遇の違いはレアナー教国や他国にもあった


特別な人間は特別な扱いをしないと神殿の権威にも関わるし、関係のないところで一般人が危険にさらされることがあるからだ


だけど悪用しそうな人がいる気もするけど、まぁやってみないとわからないよね



手に取ったマフラーは滑らかな手触りで心地良い


ヨーコの髪は金色に光が当たるとほんのり緑色に見える


似た色のマフラーがあったし、なんとなくちょうどいいと思ったのだ


だけどむしろ僕につけてほしいと首に巻かれ、ヨーコは自分で安い真っ黒なマフラーを買って自分につけた



「お互いの髪の色にあったマフラーなんて素敵ですわ!」


「そう、なのかな?」


「そうですわ!」



気に入ったようで良かった


ショッピングセンターはいろんな商品が売っていたがレアナー様キーホルダーやフィギュア、支配と従属の神ガーデク様まんじゅうに聖なるお守り、あ、サシル様おすすめの羊羹なんてのも売ってる


異世界料理店・・・?魔力スープ?あ、軍用スープか、それにダイドンの茎がおいてある、両方なかなか腐らないしね


これ僕の領地で作ってる織物だな・・・防御力高そう



色々売ってて面白いけどちょっと不便なところもある



エスカレーターとエレベーターは完全に見せかけだ


エスカレーターは動くように見えて階段だし、エレベーターはボタンはあっても押せない


押せたかと思って5分ぐらいはその場で待っちゃったよ



「次行きますわよ!」


「うん」



この中は別に寒いわけじゃないんだけどマフラーを巻いたままのヨーコ


手を引かれて進むが・・・ヨーコの機嫌が直って良かった、僕も楽しいしこういうのもたまにはいいかもしれない

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