第380話 暴走族と竹村神官
ボロボロの廃墟、ガラスも落ちててほこりっぽい
竹村を連れて帰ろうと思ったんだけどダリアが暴れてびっくりした
「誰だテメぐっ??!」
竹村のことを聞いて案内してもらおうと思ってたのだけど一瞬でダリアが殴ってしまった
流石に友好関係のある団体だし死ぬ前に治す
「誰だテメェ!ぶん殴んぞ!!」
殴った後に言わないでよ・・
顔面陥没してたしこの人大丈夫かな
「ダリア殴っちゃだめ・・・?」
声をかけたがそこにダリアはいなくて別の部屋から肉を殴打する音が聞こえた
追いかけて治していく
途中ダリアを見つけて怒った
「ダリア、だめっ!」
「だってよ、こいつら武器持ってきたんだぜ?」
「だめっ」
「だって」
「だめっ」
「ご、ごめん、な?機嫌直してくれよ?な?」
オロオロするダリア
手っ取り早く殴ってしまうのはダリアのいつものことだ
竹村を回収できたのだけど今回のことでレアナー教のために暴走族ってのを使って働いてくれたらしいのでちょっと考えがあった
「ねぇ竹村」
「うっす、いえ、はい」
「ここの人達、後で罪に問われても嫌だしレアナー教に入らない?仕事もいっぱいあるしさ」
「・・・・いいんすか?」
「うん」
「わかりやした・・・じゃない、わかりました」
おじさんたち、ちょっと条件ふっかけ過ぎだと思うんだ
レアナー様もお金は人を助けるためのものであって、逆にお金のために人が犠牲となることを良しとしない
お金は将来必要になるかもしれないし大切なものだけどね
レアナー様の財を燃やしたのは本当に許せないけど後で恨まれるもの良くはない
「僕がいない間の僕に関する騒動をどうにかするためにこれから動くからね、皆来るといいよ」
「あ、ありがとうございます!」
陸斗によるとハゲ村・・じゃない、竹村は暴走族が全員捕まっても庇わずに死なばもろともっていう自爆する気だったらしい
暴走族ってのは基本的に良くない団体の一歩手前らしい
このまま吾郷との条件が終わると彼らは逮捕されて刑務所で一生を終わるかもしれないそうだ
竹村のために頭を下げてくる陸斗を見て僕とレアナー様は助けられるなら助けたいと考えた
お金よりも人が大事だ
悪い人でもそれ以前に大きな罪を犯していたらそれは償ってもらうけどそうじゃなかったら助けたいと思う
城に連れて帰ると陸斗が待っていた
先に行っていたしね
「おかえりなさい」
「ただいま」
「お前もなハゲ村、ほらよ」
陸斗が投げ渡した神官服を手にとって見つめて。突き返そうとする竹村
「受け取れねぇよ、迷惑かけちまったし」
ッパーン!!
陸斗が竹村の頭を手のひらで思い切り叩いた
地面に座り込むように倒れた竹村、陸斗も魔力込めてたし本気だな
「ほんっとーにな!?おかげでどれだけこっちが大変だったかわかるか!??」
「それが良いと思ったんだよ」
「わかるけどな、ほら、これはレアナー様も認めてるんだ、さっさと着ろハゲが」
戻ってきても来いって意味だろうね、うん
小さな声で「なぁあいつが殴るのは良いのか?」と聞かれるが「ダリア黙ってて」と返しておく
「・・・・・」
「陸斗も頭下げたしね」
「それは言わなくて良いんですよ聖下!?」
「・・・・・本当にいいんすか?」
「うん、レアナー教のために動いていたみたいだしね、他の人達も捕まったりしたら気分悪いからさ、でも、この騒動よりも前に事件とか起こしてたらみんな謝りに行くこと!重罪とかだったらちゃんと罪を償ってから来ること!わかった?」
「うっす」
スパーンっ!!!
「聖下に何だその口の聞き方は!!ヤキ入れンぞ!!!」
「はいっ!!」
後ろから陸斗の頭を杖でポカリと殴っておく
「もうヤクザじゃないんだから」
「すいやせん」
竹村龍、定村陸斗、力村六太この3人一緒にしておくとヤクザっぽく戻る時があるから困る
はじめはヤクザっぽくしたら徳田がぶん殴って矯正していた
徳田も迎えに行かないとな
「おかえりなさーい」
「竹村神官おかえりなさい」
「似合ってないですよー」
「頭凄いことになってますけど大丈夫ですか?」
「ニュース見ました!またバイク教えてください!」
<おかえりなさいですぅ>
「ただいま・・です」
ちょっと竹村の目に涙が浮かんでいたけど見なかったことにしよう
とりあえずご飯を食べさせてシャワーを浴びさせて、六太と陸斗もつけて暴走族のもとに戻した
彼らとの話し合いが必要だろう、何人か聖騎士候補もつけておいた
何人か派手に真っ赤になった竹村の頭を見て笑っていたけど陸斗はこれを狙っていたのだろうか?
頭を指さして「紅葉ダコ」なんて言ってからかっていたがそこにはたしかに絆も感じる
陸斗は近くに居た信者の子どもたちに「お嬢ちゃんも叩いてく?」なんて聞いていたが六太にひっぱたかれていた
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