第351話 レアナー様との再会


祈りの間に行くと神々の気配がしたので全ての神像に魔力を捧げておく


もちろん最初にレアナー様に



<おかえりなさいですぅ、ごめんなさい>


「ただいまです、神様」


<お、怒ってないですぅ?>



すぐに出てきたレアナー様だけど、おどおどしている


全く怒ってはいない


ただ心を読むのは僕に失礼だと考えたみたいだ



「皆怒ってないですよ?向こうのレアナー様は僕たちやせーちゃんの魔王化の可能性を減らすためにレアナー様の記憶を無くしていたらしいですよ?」


<・・・・それは、なら仕方ないですぅ、向こうの私には貢物は減らすです、私が許しますぅ>


「わかりました」



僕がこんな姿になってもそのままでいてくれている神様にホッとする


怒ってないことが伝わったのか記憶を読み取ってくれた


プンプンして本体に怒っているレアナー様をよそに他の神様にも挨拶をしておいた




「レアナー様」


<なんですぅ?>


「ビルは破棄しました、本当にすいません」



少し悔しくて、拳を握ってしまう


こんな事態にならないように対処できていたのかもしれない


レアナー教の役に立ちたいのに 



<・・・・・いいえ、洋介はよくやりました、あまり気を落とさないでくださいですぅ>


「それと何故か今こっちが酷いことになってますが・・・レアナー様はどうしたいですか?」


<んー・・できれば人が怪我しないように戦ってほしくはないですぅ>


「でも日本が占領できれば信徒は増えますし、将来の人々にとっていいかも知れませんよ?」



向こうでもそういう事はあった完全に敵対した場合、相手を滅ぼし、レアナー教国にしたこともあるはずだ


だってそうしないとレアナー教徒はその国に迫害されるし、どちらかが勝利して国を治めないといけない場合だってある


吾郷はそうじゃないかもしれないけど相手は偉い政治家で、更に警察っていう国の機関で襲いかかってきたのだ


これは十分レアナー教の生き残りをかけた聖戦となってもおかしくはない


レアナー様が戦うというのなら僕は全力で戦う



<私は怒っていないですぅ>


「活動方針を、聞いておきたいです」


<できるだけ人が死ななようにしてほしいですぅ・・私たちはこちらの世界には来たばかり、受け入れられない人もいるはずですぅ>


「わかりました、頑張ってみます」


<そーしましょー!>



レアナー様は父さんたちを生き返らせるためのきっかけをくれた


僕を癒やし続けてくれて、手助けしてくれて、感謝してもしきれない



この城は絶対に護るとして、ザウスキアも脅威だ


領地も護らなきゃいけないのだけどなんか知らない間に攻めてきたらしいけどミルミミスがなんとかしてくれた


第二波の可能性も考えると関羽たちを早く返したほうがいいのかもしれない



というかミルミミス、本当にあれがミルミミスなのかな?


前はもっと大きなドラゴンだったし、人の形なんてしていなかった


大体は寝てたか食べていた



幼子の卵産んでみたいとか言われたけど・・・うーむ



ミルミミスの気配を感じる入れ墨の内田さんらしい人にも話を聞いてみないといけない



いつものように僕の肩に腰掛けたレアナー様をみて安心した


いつも通り、できることで、できるようにやっていくしかない


無理筋であろうと物事を突き通していいのならそうする



安藤とかいう奴も貴族と考えればいいのかもしれない


貴族が権力で僕を使おうとしてきたことなんてよくあった


今回の一件を貴族の私兵が攻めてきたと考えると貴族の首をおとせば・・いやもう捕らえた相手にそうするのもなぁ



貴族と国の考えが同じ場合はとてつもなく厄介だったけど吾郷ならきっと味方でいてくれるはずだ


吾郷が、というよりも国が僕たちを排除するというのなら逃げるか、戦うかの二択しかない



今の僕の魔力なら向こうの世界に全員移動することだってできる



戦うというのなら本気で戦うまでだ



レアナー様といて安心したからか考えがどんどん閃いていく


ダリアとミルミミスは何がおきるかわからないのでこのままいてもらうとして・・怖いのがヨーコだ


ヨーコなら反対勢力なんかを暗殺しに行っちゃいそうだ


ここに居るメンバーでは探知や探索ができるのはヨーコとエシャロットだけ


ヨーコが行ってしまえば・・エシャロットでは・・・・いやダメだな、エシャロットも喜々としてぶっ殺しに行くのが目に浮かぶ



そしてそんな2人を追いかけることは、誰にも出来ない



・・・・・・・注意しとこう

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る