第340話 何かを隠すレアナー
結界を解除してもらって洋介に・・いやその前に
「扉開けて、それとルール・・ミャーゴル治して」
「はい」
聖王はとても素直だ
少し素直になりすぎて怖いが邪気もまったくない
扉が開くと関羽が倒れていた
「大丈夫!?」
「ぬ、母上?ご無事ですか?」
「怪我は?」
「頑丈さが取り柄でして・・それに聖王の使っていたハルバードは母上のもの、母上をかたどった石像を倒すのに切れ味が悪くなっていたようですな」
いや、あんなボールみたいに吹っ飛んだのに大丈夫なのか?
下手したら下半身と泣き別れしてるかと思ったが仰向けに寝転んでいて無事そうだ
「ドワーフの酒については話しましたがドワーフの髭については話しましたかな?」
「いや聞いてないけど」
「酒と同じく髭の為に鋼を鍛えることになったという伝承です、それより現状は今どうなってますかな?」
大きな怪我は見えないが顔だけでも向けてこようとしている関羽を手で制する
見た目も性格も義理堅い関羽だ、おそらく動けないほどのダメージを受けている
「なんか和解できたっぽい」
「・・・それは、それは何よりですな、母上すみませぬが胸の骨がやられているようです、起き上がるのは無理かと」
「その割に元気そうね、洋介連れてくるから寝てて」
「はい」
洋介によって関羽はあっさり治せた
起き上がらせようとしたのだけど関羽、加護とかですごく重い
500キロ超えてるって聞いてびっくりしたよ
だからモンスターがでてきても体幹をずらすこともなく対処できていたんだと思う
「それよりも洋介なんであんたその体大丈夫なの?なんでムキムキで透けてんのよ」
「なんでだろ?レアナー様わかります?」
<しー!しー!!>
パシッ
考えるよりも先に体が動いた
洋介の背中に隠れていたレアナー様を鷲掴みにしていた
ちょっと私も頭にきていたようだ
「どうしてこんな事しでかしたんですか?」
「<それは・・うーんと、えーと>」
「理由があるんですよね?さっさと言わないと日本からの貢物からお菓子をなくします」
「<ゆ、許してほしぃですぅ>」
「理由次第です」
レアナー様はものすごく後ろめたいのが表情にでまくっている
敵ではないと信じたいのだけど・・・
「<敵ではないですぅ・・よーすけのためにも早くここをでるといいですぅ>」
「<理由を言え、アホレアナー>」
「<痛い痛い痛い!チーテック!止めてください!!まだ理由は話せないんですぅ!!>」
「<話せない・・・あ、お前まさかそういうことか!?>」
「<ですぅ>」
「チーテック、勝手に私の体使わないでよ」
どういうことかはわからないがチーテックは勝手に私の体を使ってレアナー様を少し握り、勝手に納得して引っ込んでいった
<率直に言うと・・・言えないな>
「どういう事?」
<わからないでも良い、レアナーの言うことに従っとけ・・・それがお前たちのためになるから>
「納得出来ないんだけど」
<だろうな、俺も昔は納得できなかった>
チーテックも急に変になった、何かを話せないようだ
<だが守護する神がこういうときはなにかの理由がある、納得できないでも従っておけば良い、どうするかはお前たち次第だがな>
レアナー様と目を合わせてしっかり話す
「レアナー様、私や洋介たちの味方なんですよね?」
「<もちろんですぅ>」
「今は話せないんですよね?」
「<・・・・・>」
「じゃあどうしたら良いか教えてください」
私は洋介をずっと助けてくれたレアナー様を信じている
そのレアナー様がなにか言いたくても言えなくて困っていて、更にそれはきっと私達のためだ
だったら私は信じると決めた
<だったら・・・・>
「――――――――・・・・・どうしてこうなった?」
今の私ならレアナー様を殴れると思う
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます