第266話 ダメージを受ける遥


ベッドの隣の椅子で座って寝ているエシャロット


部屋に入ってきた遥とルール


遥と別れてから何があったかを話すと遥が固まった


部屋には大きな机があってそこの椅子に遥は座っていたのだけど・・うなだれて固まった


ひじを机について両手の指を絡めてそこに顔を載せている



「子供が12万人かぁ・・・・・12万・・・・・」



おぉ仲間がいる


遥にはわかってくれたようだ


だよね?領主代理とかも遥にも話は行くと思うって伝えて、更に12万人の子供って話すとこれだ、だよね、だよね???



「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”・・・・・何やってんのォ・・・・・・・・・」



顔を伏せて固まった遥


後ろに回ったルールが遥の背中に肉球をポンポン当てている



逆に遥には何があったのか話を聞くと遥も遥で大変だったらしい


ビーツやラディッシュと言った・・・野菜の名前、何人居るんだろうか


言葉が通じず強面のTHE・マフィアさんなビーツさんと身振り手振りボディランゲージでどうにかこっちに来たらしい


言葉が通じないらしいので私がひとまず魔法をかけて私と同程度話せるようにしておく


サシル様のほうが確実なんだけどね



「・・・・・決めた、洋介はお説教だね」


「しっかり怒らないとだね」


「そのためにも連れ戻さなきゃね」


「うんっ!」



顔を上げて、ベッドに歩いてきた遥



そうだよね、やることは決まってるんだ



無事な遥の顔が見れて元気が出てきた


元杉神官を日本に連れ帰る、そのために頑張るんだ


ボフンと倒れ込むようにベッドに入ってきた遥



「あー、チーテックの加護で身体めちゃくちゃ痛くてさ、少し休むよ」


「わかった、私は少し休んだしちょっと話聞いてくるね・・・・・あれ?ヨーコは?」


「知らないけど?」


「「あれ?」」



まぁ、ヨーコはこちらの出身だし、とてつもない戦闘能力もあるから大丈夫だろう


とにかく寝なよと体を動かすのも大変そうな遥を布団に寝かしつけてベッドの横の椅子で寝こけているエシャロットを連れ出す


エシャロットは遥がベッドにダイブした音で起きちゃったもんね



「!?」


「ルル」



エシャロットはルールにビクついて固まり、顔をベロンと舐められている


ルール、はたまにいたずらっぽいこともするが挨拶代わりだろう


ふんすふんすと固まったエシャロットの首筋の匂いを嗅いでいる


人形のように固まったエシャロットが可哀想だしエシャロットの腕をつかんでそのまま連れ出す


うん、怖いよね


寝て起きたら巨大な肉食獣だからね



ミャーゴルは雑食らしいしルールは果物や甘いものが好きなんだけどね



「ルール、遥を任せたよ」


「コルルルルル」



あ、ミルミミス、どこにいたのかと思ったらベッドの横の床で丸まっていた


のっそりと起きて猫のように体を伸ばしてから無表情でこちらに来た


人間の姿でそれは止めてほしい



「おはよう」


「うん」



ドアを開けて出ると屋敷の人らしき人たちが何人も待機していたので人差し指を立ててしーって言っておいた



このボディランゲージ通じるのかと思ったけど通じてよかった


口を両手で押さえてウンウンとうなずく人たち



わー、猫耳やトカゲ顔、獣っぽい顔の子もいるー


きっと子供なんだろうな―・・ははー



「誰も入れないようにね」


「「はい」」


「エシャロット、話ができそうな人のところ連れて行ってくれる?」


「はい!」


「あ、出来たら玉座の間っぽいところじゃなくて会議室とかで」


「わかりました」



さて鬼が出るか蛇が出るか・・・・野菜とかが出るのか?


少しくすっと来てしまった


その前に空き部屋で服を着替えておくかな



少し良い大神官服に着替えよう、来たばかりのときは頭が回って無くて自己紹介されたと思うけど覚えていない


初対面ではないかもだけど印象は大事だしね

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