第253話 遥の逃亡と少年たち
「****** **** *****」
何を言っているのかわからないビーツさんの後ろを追って部屋を出る
見た目は内田さんのほうが怖い、ちらりと見た時には内田さんはあまりにも危険に見えた
だけどビーツさんはそういう怖さとは違う、入れ墨もないし武器も持っていない
見た目が怖すぎる
眉間によったシワがくっきりと見えるし、犬耳など目に入らないほどに強い眼力
不機嫌そうな、今にも爆発しそうな怒った男性のオーラを感じる
理由はわからないし危害を加えられたわけではないんだけど警戒しておくに越したことはない
「サシル様 サシル様 祈る わかる? OK?」
「サシル**** サシル**** OK OK 」
何故かカタコトになってしまった
一応サシル様のところに連れて行ってくれるようだけどこの人OKOKって言った?
私の言葉を返しただけかな?
部屋を出て階段を降りると受付のお姉さんが話しかけてきた
「**** **** ************」
「すいません言葉わからないです、サシル様サシル様」
「サシル・・・****** **** ** *************」
「**** ******** ****** *****」
「***** **** サシル***」
受付のお姉さんがなにか言ってくるがサシル様の名前を出しておけばなにやら納得したようだ
ビーツさんとお姉さんがなにか言っている
受付のお姉さんが私達に頭を下げ、ビーツさんが私の前を歩いた、ギルドから出るようだ
周りが静かな気がする、チーテックの記憶ではもっと騒がしかったような気がするんだけど
建物を出てビーツさんについていく
さすが異世界の中でも大きな国、リクーマさんのところよりも活気がある町で建物も大きいし屋台なんかも多い
巨大なルールを連れていることからかビーツさんの殺気ビンビンな眼光のせいか人が避けていく
「サシル ****** サシル **********」
神殿は向こうだと言ってくれているのだろうか?
良い人なのかもしれないけどなんだか怖いな
海外の拉致事件とかだと、このまま怪しい建物に連れて行かれたりしてね
気を引き締めて収納袋も意識する
いきなり横の路地に引き釣りこまれた
「**********! ***!!!」
「*****ミャーゴル! ******」
「*******!!」
「ゴルルルルルルル!!!!!」
「******* *********** ***」
「******** ***」
「*** ****** ****」
ルールは路地に入ってこれていない
狭い路地、巨体では肩で引っかかるのだ
油断はしていなかった
だけどこちらの人間は見えないぐらいの速さで動くことがある
ヨーコが映画の分身を反復横飛びで再現しようとしていた、私の想像を超える身体能力だ
油断はしていなかった
だけどその上をいかれた
路地に居たのは数人の少年少女7人ぐらい
マフィア顔のビーツさんはいない、ここにいるのは大きさで入ってこれないルールと奥に引っ張られて転がった私だけ
私には武器を向けてこない子どもたちはルールの威圧に怯えているようだ
完全にルールに意識が向いている
魔力を全身にまとわせて逃げる、路地の裏の奥を駆け抜ける
建物はビルのように高く、窓はない
奥へ、この場を離れないと!
「**********!!」
「****! **********!!!」
「******************!」
子どもたちもこちらに気付いてなにか言ってくる、叫びを無視して路地の奥の角を曲がる
「ルール!上っ!!」
曲がる直前にルールに叫ぶように伝える
ルールは空を飛べるし私が上に行ければ問題はない、私でも壁を登ることはできるだろう
だけどまだ慣れていないし失敗すれば5階建てぐらいの建物を落ちることになる
「**** ***!!」
角を曲がって人は居ないと思ったのだけどその次の角にも棒や光る物を持った子どもたちが居た
顔を隠しているものもいる
ストリートのチンピラ集団か何かか?!
意を決して左右の壁を何度か蹴って屋上まで逃げる
屋上は平面で誰もいない
しかし、子供も驚異的な身体能力で数人ついてきた
武器も持っている
「ルルルルォ!!!!」
だけどここならルールも来れる
すぐに横にまで来たルール、唸って威嚇している
私もハルバードを出して構える
収納袋の大きめのものが入る
だけど胸の間からこんなの出すなんて思っても見なかった
「******!*******!?」
「****!**************!!」
「**** ***** ****!」
「何なのあんた達下がりなさい!!」
仲間内でもなにか言い合っているようだ
ルールは強そうだけどなんで逃げないの?
どうすれば良い?
やるしかないのか?
子供相手に?
重みのあるハルバードを握り直す
この少年強盗団みたいな子どもたちに油断しちゃいけない
洋介も言っていた「町でも油断すると刺される」って
ビーツさんは大丈夫か?
それともビーツさんも敵なのか?
「<下がれ!>」
「****!*******!!」
「*********」
「*** ****」
魔力を強くこめていうと武器を見えるように私の前に落とした子どもたち
まだ持っているかもしれない、油断しないようにしないと
「********」
「**** ***** ***! ***** ********** *** *****」
まだなにか言ってくる
だけどわからない、何が狙いなんだろうか?
「****** ********* 遥 ****** ***** ***」
ビーツさんが、来てくれた
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