第252話 遥と強面の漢


寝て目をさますとどう見てもマフィアがいたのだけど男が居なくなって痛む体に鞭打ってダイドンの茎と不味いスープを飲んでおく


味自体は不味いんだけど魔力が染み渡る気がする


その後また寝た、身体が痛い



で、起きたらまた見られている



何なんだろうこの怖い人


寝たふりをしていたらいつの間にかいなくなってたんだけど起きるとまたいた


寝ている間にだけ来る趣味でもあるのだろうか


こういう眠ったふりは得意じゃない



「あんた、なんなの?」


「*** *********?********** *** ******」



思い切ってそのまま言ってみた


この怖い顔の犬耳ダンディが何を話すかと思ったのだが言葉がわからない


ルールはこの男を危険視していないようだ


くつろいでこちらを見ているだけである



「え?なに?」


「****** ****** ******* ***?」


「言葉わからないんだけど」


「***********!!******** **********」


「**** *****? ********!********!!」


「******??************** **** *********** ****」


「言葉通じていますか?」


「************* *********** ******* ***** *****」



言葉わからない


なにやら怖い人が少し興奮してまくして立てて来た・・・がわからない


相手にも通じていないようですぐに興奮はなくなって渋い顔で困っているようだ


チーテック様?


<俺は言語の神じゃない、こうやって話すのにも魔力が必要となる、自分でどうにかしろ、敵意はない>


なるほど



「私 春日井 遥 遥」



自分を指さして名前を言う、ボディランゲージだ


そして相手に向かって手のひらを揃えて差し出す


いまだに全身が傷んでカクついてしまう



「**** ** ビーツ ビーツ***** *********!」


「ビーツさんね、私、遥、遥」



相手も自らを指さしてビーツと言っている


なんとか通じたらしい


外国人とのコミュニケーションであればこの次はお酒が定番かな?



「サシル様 サシル様」



サシル様と言いながら祈るポーズを取るとなんとかわかってくれたようだ


サシル様の加護はとても一般的であると聞いたことがある


その加護はその土地の範囲で有効である


確か効果期間が数ヶ月か数年はあったはずだ



サシル様の加護が切れたのであればこの言い訳は不自然ではないだろう



「サシル******** ******* ***** ******」



ビーツさんも何処か別の方向を指さしてくれた


きっとサシル様の神殿はその方向にあるのだろう



「***** **** ********* ********」



私の腕をつかんで連れて行こうとする男


どう見ても怖い人だし、手を振り払ってしまった



「・・・・・」


「・・・・・ちょっとまって」



手のひらを向けて待って待ってとしておく


止まってくれたビーツさん、拳銃とサングラスとか似合いそうだ



チーテック様どうするべきだと思いますか?


<お前が決めろ>


「ルールどうしたら良いと思う」


「ルルルル・・・ツイテク・・ルル・・ヨイ・・・・・・ルルルル」



ルールもおぉ喋った!?めったにしゃべらないのに!!


外国製の変な匂いのキャットフードあげたら「マズイ」って言った時以来だね


驚いているビーツさん、高位のミャーゴルじゃないと喋れないと洋介に聞いたことがある


これでこの強面なビーツさんも少しは牽制できただろうか?



「なんで?」


「ルル・・ソノヒト・・・・マイニ・・チ・・・ミテイルシタ・・・・ダケ・・・・ルルルル」



毎日?何日も私を見ていたのだろうか?


と言うかそんなに寝ていたのだろうか?


ルールに身体を預けるようにダイブして背中全体を撫でる



・・・さて、この男に鉱山とかに売られたりしないように気をつけないとな

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