第254話 信用できない
ビーツさんが来た
強面でいかにも「東京湾に人沈めてきた」って顔をしているが味方となれば頼もしい
仏頂面で少年たちを睨んでいた、と思ったのだが
「ビーツ!***** **** **** ***!!」
「******* ********** ** ***!!」
「*** ***** ** ***ビーツ」
少年たちはビーツに対して明らかに信頼したような反応を見せた
まさか私が路地裏に連れ込まれたのはビーツがグルだったから?
土地勘がない私はビーツついて行って、結果こうなったのは間違いない
「遥***** ******* *** **」
「わからない、下がれ!!」
この人は危険だ、何を考えているのかわからない
【身体強化】の魔力を練り上げていく、チーテックの加護のおかげかいつもよりも魔力の通りが良い
まだ身体は痛いが先程よりもマシな状態だとは思う
目立つかも知れないが仕方ない
「***** ****!」
「******」
「ビーツ***** ** *** ****」
私の溢れた魔力で子供の何人かが膝をついた
こちらの世界に来て魔力の供給が少し増えた、洋介から流れて来る魔力だ
寝ていた私はチーテックの加護もあって有り余っている
睨み合っている何かを言ってくるビーツだが考えないといけない
どこから、誰からが敵だった?
ちらりとだがビーツに対して受付の人は丁寧に見えた
・・・・・もしかしてギルドの、組合の人間に売られた?
いや人身売買にギルドが加担しているとは限らない
だけど総合ギルドに奴隷ギルドが入っていないとも聞いていない
私が狙いとは限らないか・・・
価値を考えるとルールが狙い?
ミャーゴルは貴重で高価というのは聞いていた
私を引き離している間にルールを狙ったけど空を飛んで逃げられて追いかけてきた可能性だって充分にある
「・・・・・」
「・・・・・」
「ゴルルルル!!!」
一触即発だ
ビーツとの距離は九歩ほど
私の【身体強化】から溢れた魔力にも全く動じていない
こんな荒事には慣れていると言わんばかりの強者の表情だ
腰を落としていつでも斬りかかれるようにする
ルールも今までに見たことがないぐらいに毛を逆立てて猛っている
「**** ****** ***** ** 遥******* ********」
「・・・・何言ってるか、わかんないのよ」
少年たちの前に出てきたビーツ
さらに半歩前に出てきて、なにか気障ったらしい礼を取った
映画で中世の貴族が行うように左腕を腰の後ろに回し、手を上げてから弧を描くように胸に手を当て、頭を下げた
・・・・なにこれ
「・・・・・」
「・・・・・」
顔を上げたビーツさんと目が合うが意味がわからない
武器はそのまま構える、警戒は解かない
一歩下がったビーツさん
今度は目を閉じて少し頭を伏せ、両膝を屋上の床につけ、片手でもう片手を包んで前の腕を水平に頭の高さまであげた
見たことある気がする
中国のアクション映画でこういうのみたことある気がする、武闘家とか軍の人がやっていたと思う
「・・・・・」
「・・・・・」
またビーツと目が合うが一体何が伝えたいんだ?
意 味 が わ か ら な い ん だ が ?
見てると次は正座で座って上着を脱いだ
そして落ちているナイフを拾って・・・腹を横にきる真似をした
「・・・切腹?」
「*****セプーク!******ハラキリ! 遥!」
「なんなのよ?!」
アメリカンな切腹や腹切りと言葉に混じっている・・・一気に胡散臭くなったビーツ
武器は構えたままにするが先程までの緊張感が吹き飛んだ
え?なに?こちらで言うアオキチキュー世界、異世界である地球に詳しいのか?
敵意はまったくないと頑張って伝えようとしてくれているようだ
「ボンジュー******** **** ******サシル****** ***** ***洋介**** ***アブニャア **」
「洋介?」
「洋介!**** ****** ***」
「「「「「洋介!**** ****** ***」」」」」
何言ってるか意味が全くわからないが洋介が関係してると言うことがわかった
子どもたちも口を揃えている
「あんたたち・・なんなのよ?」
子供だけではなくいつの間にか大人の女性や小太りのオジサンも増えて子供と話している
・・・・・増えた
小太りさんが紙とペンを出してビーツに渡す
私の目の前でなにか書いている
洋介と漢字で書かれて見せられてまたなにか描いている・・・なんだろう、ちらりと見えたのだけど画風がエジプトの壁画風
この犬耳マフィア、意味がわからないんだけど
増えたオジサンも持っていた斧を床においた
戦意はまったくないんだろう
何かをどうしても伝えたいのはわかった
だけど全く信用ができない、いつでも戦えるようには準備だけはしておく
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