第230話 敵は・・・
城に着くと遥が迎えに来てくれて信徒たちも待ってくれていた
ずっと静かだった内田さんは意識があるようだがうなだれてしまった
私と一緒にルールに乗るのは怖かったし仕方ない・・なにやら股が濡れているように見えるがそれも仕方ない・・・
見なかったことにしよう
「奈美!大丈夫だった!?連絡通じなくて心配してたよ!」
「え?あ、スマホ壊れちゃって」
「あ・・・あの、そんざいえっくす、あのどらごん、ちかくのでんかせいひんこわれるよ」
しぼりだすような声で内田さんが教えてくれた
もしかして電気かな?ミルミミスさんの周りには電気のようなものが揺らめいて見えていた
走る稲光のようなものはスマホに悪いだろう
「チョコ」
「え、はい、遥、チョコ持ってますか?」
「あるけど」
私の置いているものよりも遥の手持のチョコのほうが豪華だ
遥はチョコアイスやコーヒー牛乳などが好きで送られてくるブランドのチョコ菓子なんかを収納の小袋に入れている
遥はなんでチョコの大袋を食べてニキビ1つできないのか、まぁ胸に栄養がいってるんだろうな
包装されたままの高級チョコを手渡された
包装用紙を開けて匂いを嗅いでみる
賞味期限は大丈夫だが収納に入れたものをいまいち信じきれていない
口を開けて待っているミルミミス
一粒たべさせようとすると舌をほんの少し伸ばしてきたので舌に載せると口の中にチョコは収まった
翼がバサバサと動いてちょっと怖い
「あの、ミルミミスさん」
「うん」
「これはスマホっていって電気で動くものです」
壊れたスマホを取り出して見せる
飛んでいた時に使っていた予備機は撮影した時は使えていたけど今は収納袋に入っている
バックアップは取ってるからデータは消えちゃっても良いんだけど・・・動画のデータ残ってたら良いな
「うん」
「この世界は電気で動くものが多くあります、ミルミミスさんの周りでは壊れるそうなのですが抑えてもらえますか?」
「・・わからない、やってみる」
「おねがいします、チョコいりますか?」
「いるっ!!」
1つずつ差し出すと喜んでもらえたのがわかった
ルールと遥も食べたそうにしていたがルールは聖獣とは言え猫っぽいし駄目、今度神様に聞いてみよう
遥は我慢しなさい
信徒たちは集まっていたので状況を説明、とにかく治療は抜きで攻撃的な活動はなし
ビルと城を護るように言いつけておく
「洋介は大丈夫なのか?」
「命の危険はないようですが私達が連れて帰ってきます」
「任せたわでも無理はしないでね、遥ちゃん、奈美ちゃん、ヨーコちゃん」
栄介さんと詩乃さんに心配そうに言われるが大事な人のためなのだから何だってしよう
「はい!」
「きっと連れ帰ってきます」
「任せてくださいまし!理由はまだ話せませんが絶対に無事のはずですわ、もしかしたら贅沢に過ごしているかもしれませんわ・・・」
「貴女達も気をつけるのよ?」
「「「はいっ!!」」」
栄介お義父さんと詩乃お義母さんは本当に心配そうだ
遥はここで加護を得ることはできなかったが向こうに行けばすぐに加護を貰えることが決まったらしい
ヨーコの指示で準備して祈りの間に行く
神々の神像の前に貢物用の台が置いてある
掃除をして、後ろを振り返ると何故か台座がこちらの近くにあることがあった
今日もこちらに正面を向いていて怖い
そのうち手足とか生えてきそうでやだな
「ミルミミスさんは元杉神官を助けるのに協力してくれますか?」
「うん、幼子は仲間」
異世界に行くのはミルミミスさん、遥、私、ヨーコ、ルールだ
まだ教えてくれないヨーコだが「向こうに行けば説明できますわよ」と言っているのでそれを信じる
祈りの間にある台座に載る
ルールがいるからちょっと狭いが背中に乗ればなんとかなった
この台座は神々への献上品を置くものだ
たまにこちらのものを異世界の神に送ることができる
お菓子などを置いておくと数日後にはいつの間にか無くなっているから不思議である
「こ、これ大丈夫なの?」
「ここにいるのは春日井以外は加護持ちですし・・わたくしの神であるヴェーヴァにも教えていただいた方法なので合ってるはずですわ」
ミルミミスさんも元杉神官を助けるのには「うん、行く」と言っていたし、お菓子でおお喜びされたので収納の小袋にお菓子のものもいれておいた
ミルミミスさんから魔力が台座に注ぎ込まれる
「よく聞いてくださいまし」
ヨーコの真剣な声、話せるタイミングで話すと言われていたので私も遥も真剣に聞く
安全安全と言われているが元杉神官はどうしているのか?
どこにいて、何に拐われたのか?お腹が空いているんじゃないか?
元杉神官が今どうしているのか、どうしようもなく心配になる
「敵は・・・レアナー様です、もしもレアナー様がいても信じてはいけません」
・・・・・・えっ?
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