第229話 飛んで帰ろう
「ミルミミス、飛んで連れて行ってもらいたいのですが・・・今の貴女は飛べますの?」
「うん」
床に手をついたミルミミスさん
身体に鱗が見えてきて大型犬・・いや中型犬ほどの大きさにまで縮んだ
大理石のような白に青紫色が混じったような鱗、黒っぽい黄色の角
手足が4本、羽の生えた竜
ポンチョ型のレインコートがそのまま使えているが邪魔じゃないかな?
ミャー・・コルルル・・・・
近づいたルールが顔の匂いを嗅いでいる
大きさはルールのほうが圧倒的に大きい、理知的なルールだけど、なんか怖い
動物の接触っていきなり暴れたりしないか心配だ
「ずいぶんと縮みましたわね」
「<うん、産まれたてだから>」
「だから姿を隠してましたのね・・私達を運べますの?」
「<うん>」
キュアキュクルルルと鳴いているのに言葉が通じる
サシル様の加護は竜とも話せるのか・・・?ルールとはまだよく話せないのに
内田さんを呼ぶとすぐに入ってきた
ルールとどっちが速いのだろうか?
日本まで何日で帰れる?食べ物やお金は足りるかな?
「日本に帰りますが内田さんも帰りますよね?」
「もちろんです!いやぁもう野生の肉は食べたくないですし・・現地の食い物は不味いし虫はもう・・いや、なんでも無いです」
この人、見た目通り野生的な生活をしていたんだろうか?
全身入れ墨まみれで全裸よりの半裸の男、日本だと歩いているだけで通報案件かも知れない
ナイフとか舐めて拷問とかしそうな印象だ
ミルミミスさんがなにか魔法を使ったのか身体が浮いた
私もルールも内田も足が浮き、ヨーコがミルミミスさんの上に乗った
「ちょ、ちょっと待ってね」
やばい
ここに来たときには景色が線になって、身体がバラバラになるかと思った
またあれを体験したくはない、降りてすぐに漏らしてないか確認したぐらいだ
何故か襲いかかってきていた人達が倒れているが大丈夫なのかな?
まぁ大丈夫だろう、武器を持っていない人達が彼らの手足を拘束していっているし、きっと悪漢だったのだろう
私はルールの背に乗って、ムチで内田の両手を気をつけの状態で捕縛
「え?え?ええ?」
「ルール咥えて」
「ルルル」
内田を捕縛したムチをルールに噛ませ、私はルールにしがみついた
「えっとミルミミスさん」
「うん」
「日本についたらチョコをあげます、私達を安全に返してもらえますか?」
「チョコ?さっきの?」
「はい」
「わかった」
チョコのことを話しを出すとやる気になったのか翼がバッサバッサしている
バチチ・・チチチチチチチ!!!
雷が、紫電がミルミミスさんの周りを疾走り、ルールは動いてもいないのに体が浮いた
ヨーコの乗るミルミミスさん。光の走る中映る鱗がとても綺麗だ
ルールも白に黒と金と青が混じったような、白虎のようと言われる毛柄で・・・だめだちょっと怖くて別のことを考えてしまう
「ちょっと!?まさかこのまま行くんですか??!」
現実逃避していると内田が叫んだ
もがいている内田には申し訳ないがこの人怖い
ミルミミスさんにはヨーコしか乗れないだろうしルールに一緒に乗るのは怖いし無理
「向こうですわ、指示に従ってくださいませ」
「わかった」
ミルミミスさんの魔法の力かロケットのように飛んでいく
空を駆けるルールよりも速い、大砲型神具で来た時よりかは遅いかも?
地球が丸いことがわかるほどの高さまで上がり、飛行機よりも明らかに速いスピードで飛んでいる
ルールを掴まなくても魔力で全身が支えられているのでスマホで動画を・・・あれ?つかない?収納袋から他のスマホを出して動画をとる
映画で見た大気圏突入のようなシーンを肉眼で見れるなんて思っても見なかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます