第32話 怪しすぎるビルと一縷の希望


「お、おう・・・・・えー・・・いや・・・・・・・うん・・・・・・・」



ビルの一階の内側の窓から張り紙がされていた


信とぼしゅう中、おいのりはこちら、けっこん、■■■■、そう義、かいしゅう、義式、せいすい、きふ、きしん、■■、くもつ、その他の相だんもこちら

お気軽に女神レアナーにおいのりしましょう

経しくないです

ガンを10人なおしました、信者は今14人

12さいになったら信こうをきめましょう

いのりかたは■■■■■でもいいです


ビルに来てみると怪しさが限界を超えている


ビラの裏で書いていたり、何語で書いてるのかわからないもの、誤字も多い



いやー、これに一縷の望みを託すのか・・・・・?



見れば見るほど帰りたくなる



お祈りはこちらって書いてるし入って良いん、だよね?



いつでも逃げられるようにスマホは110番にすぐ通じるようにしてポケットには防犯用ブザーを忍ばせておく


テレビで見た飲み屋での防犯対策であったように一応千円札と10円玉を靴下と靴の中敷きに入れておく


入った瞬間、白服の集団に捕まってどこか地下~とか怪しい薬の蔓延してる部屋~とかで催眠術をかけられたりするかもしれない



真っ昼間から堂々とこの怪しさはなかなかないだろう



こんなにも怪しさがにじみ出てる建物はそうはない、間違いない


通りがかる若者もビルの写メ撮ってる


公園からも「ママ-あれ何-?」「見ちゃいけません!」なんて聞こえる


アクション映画のようにまずはこのビルを張り込んで出入りの人をどうにかできないか?


だめだ、どれだけの人間がこの怪しい宗教にハマってるかわからない



無理、私、背はあっても貧弱だしなぁ



逆にこの怪しさで人が注目してるし何かあったら、防犯ブザーで・・・なんとかなったらいいなぁ



すこし、ここの情報を調べてみると


・光っていたビルはこのビルで間違いない

・光る人間はこの公園にいた

・光る人間は駅の改札前でも目撃されていた

・光る人間は駅の向こうでも目撃されている

・空を飛ぶ子供が目撃されたのもこのビル


このあたりはパワースポットだ~とか神社に仏閣、墓の線をつなぎ合わせると中心がこの辺り~とか、神隠しがどうの~とか怪しすぎるニュースが続々出てくる



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かえろーかな



いや親友には、私には、時間が、ない!



がちゃんっ!!



意を決してビルのドアを開け、開かない?



留守か



周りで怪しげなものを見る視線が集まる中、勇気を振り絞って入ろうとしたのに!!


いや、負けるな!やるって決めたんだ!こうなったら・・・・



スマホを片手にヘッドホンを付けて知らん顔をする


個数限定の開店待ちと同じだ


考えるな、待つんだ


周りにチャラい人とか黒い車とかとまってるし視線を感じるけど気にしちゃいけない


自分が目立ってる気がする、いやすごく目立ってるだろうが



「あの人関係者かしら?」

「ママ-今度は人がいるよ-!」「しっ!見ちゃいけません!」



・・・待つんだ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る