第15話
15話
それは部活動にも慣れてきた時の事。今日もウキウキでおじさんから貰っているロックダンスの練習メニューをやっていたその時であった。
メニュー表を確認するためにスマートフォンを片手にアイソレをしていたら、その機械からあまり聞いたことが無い「プルプル」との音がなった。
社会人の中にはこの音が苦手だとかいう人がいるらしいが、電話をする相手がいない俺からすると好きも嫌いも無いのである。
だが、嫌いでないからと言って何とも思っていないわけではない。
誰からも電話をかけられる事が無いからこそ・・・なんでなっているのかと、緊張してしまっていた。
だが、そんな状態でもスタジオの中で電話を取るのはやめておいた方が良いと思い外に出る程度のことは出来ていた。
「はい春樹です。」
『坊主元気にしているか!』
緊張して真面な返事を出来ていなかったが、電話の相手は親でも、学校からでもなく、おじさんからであった。
おじさんとは指導をしてもらった時にラインを交換していたから、ラインの機能を使って電話をかけてきたんだろう。電話番号は誰にも教えていないから誰もかけてくるとは思わなあったが・・・ラインで電話をかける事が出来るのは忘れていた。
「久しぶりです。どうしましたか?」
いつもはラインで連絡を取り合っているから、わざわざ電話で話すことは無いのではないのであろうか?と思うが、なんで電話何だろう?
『今度俺主催の大会を開くんだが、見学にでも来ないか?』
「大会ですか?・・・ぜひ行きたいです!」
大会か~。ダンスの大会は動画でなら見た事があるけど、実際には見たことが無いから一度行きたいと思っていたんだよな。・・・それに俺自身大会に出てみたいと思っていた節はあるし。
まあ、今は真面にステップも踏めないし、今は出たいとはサラサラ思ってないけど。でも、いつか出てみたいなと言う気持ちはある。
『お!良かった。いろんな人のダンスを見た方がいいだろろうと思って誘ったが・・・そう言えば、あののっぺりとしたダンスは改善したのか?』
のっぺりとしたダンスと言えば、俺がおじさんに指導をしてもらった時になっていた奴だ。
「・・・まだダメなんですよね。。。前に普通に踊れた時があったんですがその一回だけで、、」
前と言うのは、この部活に来た初めの時の自己紹介で踊った奴だ。あの時のダンスは俺自身普通と言うか、おじさんみたいに感情が出ていたというか、、、のっぺりはしていなかったんだよな。
だけどそれ以来、そんな風に踊れていなくて三月さんに相談もしたのだが、分からないみたいなのだ。
『まあ、一回でも出来たなら良かったじゃねぇか。・・・いろんな人のダンスを見て居ればなんでそうなるか分かるから頑張れよ!』
おじさんも同じような事になっていたみたいなので、おじさんが普通に踊れていると言う事は俺ものっぺりではなくなることが出来ると言う事!大会に見学をさせてくれるらしいからそれで何か変わるといいんだけど。
『それなら、大会には来ると言う事でいいよな!』
「はいお願いします。」
『日程は後で送っておくから!・・・ちゃんと練習しろよ!』
そう言って電話は切れてしまった。
・・・大会か〜。。。楽しみだな。
電話はもう終わったのでスタジオの方に戻ると、なぜか三月さんが扉の近くに居た。なんでそこに居るのかと思ったが、俺の電話に興味があるのかな?
「電話ですか?」
「そうだよ。知り合いから大会に来ないかって言われてさ。」
まあ、隠す事でもないからいうけどね。それに俺が大会に出るわけではないから。
だが、三月さんはその言葉を聞いて凄い驚いているみたいだ。
「出るんですか?大会に。」
「いや、見学に来ないかって、、、ほら、この前教えたおじさん。その人が主催らしいんだよね。」
三月さんとは一緒にいる時間が長かった、、、と言うかヒップホップの練習に付き去ってもらっているので、雑談としておじさんの事を少しだけ話しているのだ。
「え、その人そんな事もしているの?」
「ん~俺は良く分からないけど・・・」
そう言えば、あんなにデカいスタジオを借りたりしている人で凄いんじゃないのかと思っているけど、、、どんな人なのか知らないな。Twitterに乗せるって言っていた動画も、動画自体は見せてくれたけど、Twitterのアカウントは教らって無いし。
名刺に書いてある名前で調べても出てこないから。。。。まあ、ダンスをやる時はニックネーム的な物を使うのかも知れないけど。・・・それにそこまで興味が無かったから調べてないし。
「・・・いつの大会?」
「えっとちょっと待ってね。」
そう言えば、詳細は後で送るとか言われたけど、もう送ってくれているのかな?・・・まだ来てないな。
俺はスマホを確認するが、何の通知も来ていなかった。
「後で詳細を送ってくれるって言っていたけど・・・まだ送ってもらってないから、分からないな。」
「そっか。。。じゃあ、練習しよ。」
なぜか残念そうであったが、少しサボってしまっていたので練習を再開しなければ行けない
俺はスマホをおいて練習に戻るのであった。
☆
そのままの流れで三月さんからヒップホップを教えてもらえるみたいだ。・・・さっきまでロックの練習をしていたが一回区切ってしまったので途中の文字はそこになかった。
「クラブも結構上手くなってきたし、」
クラブとはダンス全般で使える基本的なステップらしくて、その名の通り横に移動して、股を大きくかける事かrあカニっぽく見える。だが、ダサいとかそう言う事は一切なく、三月さんのクラブステップは慣れているからか、凄いカッコ良かった。
「・・・・踊ってみる?」
「踊る?」
「まだ即興は出来ないだろうから、ある程度振付は考えるけど・・・やっぱり実際に使った方が上手くなるし。」
・・・やってみたい。。。即興はまだ良く分かっていないし、前に即興で踊った時も元々
知っている組み合わせをいじっていただけであった。・・・それがを即興と言うのかないが。
今ここまで多くの事を教わった状態では、何のムーブを出せばいいか分からないくなってしまうだろう。だから、振付を決めてくれるのであれば、やりたい。
それに・・・今までの練習はムーブをひたすら覚えるだけであった。クラブしかり、フォーシングもずっと繰り返し同じことをやっているだけであった。・・・それも楽しかったが、それを使ってダンスが出来るのであればこれまでの練習が実るであろう。
「それなら、さっそく振付を教えよっか。」
「もう、決まっているの?」
「いま、考えたから・・・たぶんそれなりのダンスにはな。」
まあそれなら。それに三月さんは普通に即興で踊ったりするみたいだから、振付とか考えるの得意なのかな?
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