第13話
13話
やばい、体がゴリゴリ言ってる。
俺は今アイソレーションのやったことが無い動きに対応が出来ておらず、全身が痛い状態であった。
例えば、胸のアイソレーション。
胸を前に出す動作の時、体の内部がゴリゴリ言って痛い。纏えば腰のアイソレーション、腹らへんの所がゴリゴリ言ってなんか痛い。
「ははは、最初は動きになれてないから疲れちゃうよね。私なんかはずっとやっているから、慣れちゃったけど。」
「・・・どの位出来たら、いい物なんですか?」
やってみて分かったのだが、アイソレーションは出来たという物が無い気がする。がんばればどこまでも出来そうだし・・・もちろん練習をすればだが。
「どこまでもかな。出来るなら無限に。もちろん、一番大切なのは動かすところ以外は動かさない事だけどね。・・・まあ、最初はそれくらい出来ればいいほうだよ。ダンス以外のスポーツをやっている人は無意識に体が連動しちゃうとかあるみたいだからね。」
へ~、スポーツ初心者だからそんな感覚は分からないや。
「結構やったし、そろそろヒップホップのムーブに入ろうっか!」
「お願いします。」
やっと準備体操がおわった。・・・アイソレーションが大切なのは分かったけど、大切な割には練習が地味でそれなのに大変なのは。。。毎日やるのは疲れそうだな。
☆
「やってるね~。」
それは俺が三月さんに教えてもらって、1時間が経とうとしている時であった。体を動かしていると時間が早く感じるのか、まだ全然立っていないと思っていたが、その声が聞こえた時に時計を見るともう1時間が立っていた。
声の主は剣さんであった。さっきからスタジオにいないからどこに居るのかと思っていたが、今帰ってきたみたい。
「春樹君少し来てくれる!」
「は~い。」
俺は三月さんから習っていた、クラブのムーブを一旦やめてそちらに行くことにした。・・・だが、俺の足はその練習によって疲労しているのか足取りが重い。
「少し行ってくるね。」
「行ってらっしゃい。」
教えてもらっている中、少しずつ仲良くなれたのか俺のくちゅは他人行儀ではなく、同級生としての口調になっている。それは三月さんも同じようで、口調が少し柔らかくなってきている。
その重い脚を動かして、剣さんの所に行くとそこには剣さん以外に1人、さっき体育館で出会った女性がいた。
「結構疲れているみたいだね。」
「今まで体を動かす事をしてこなかったので。」
そう、俺はダンスをやるまで体を動かすことをやってこなかった。別期避けていた訳では無いがピンとくると言うか、やりたいものが無かったのだ。・・・そのつけなのか、いまの俺の足はガクガクになっている。
練習中はこんな風に疲れた様子を見せていなかった足であったが、ひとたび集中が切れるとこんな風に練習が出来る状態ではなくなってしまった。
「ちゃんと休みなよ、一気に体を動かし始めるのは怪我の下になるから。」
「すみません。少し休むことにします。」
・・・運動不足の俺はもう疲れてしまった。まだ、三月さんは練習を出来るみたいだったけど、それは運動を毎日やっているからなのかな。
「それでさ、もしダンス部に入るんだったらと思って入部届を持ってきたんだけど・・・どうする?」
「入りたいので・・・今書いた方が良いですか?」
もし、入部届に名前を書いたら俺はダンス部の部員になる訳だ。まだ、手芸部に未練はあるが、もう練習を手伝ってもらっている手前・・それに俺自身ダンス部に入りたいと思ってきている。
「そうだね。今書いてくれるならそっちの方がいい「ちょっと!なんで私抜きで話が進んじゃうの!」」
すると、俺と剣先輩の話を遮って、なんかいるなと思っていた女性が話しかけてきた。・・・そう言えばその人向きで話していたな。
なんでいるのか分からなかったけど・・・もしかして縫う部に関していうために居たのかな?
「・・・?」
「ん?じゃなくて、まずは部長の私を自己紹介してよ。なんで部長抜きで話が進んじゃうの。」
「ああ、それならどうぞ。」
・・・この人部長だったんだ。
たまたま、体育館前で出会ったその人は水が無くなったことを忘れるポンコツだと思っていたけど、俺の想像とは違い、名誉がある部長と言う立場であるそうだ。
・・・この人が部長の部活は大丈夫なのだろうか。
前の部活の部長は、なぜか突然いなくなってしまったけど、仕事自体は結構優秀で・・・それに裁縫も部活一上手かった。俺は服を作るくらいは出来るようになっていたが、それを超える部長は・・・なぜか着物を作っていたな。
・・良く知らないけど、賞とか貰っていたし。まあ、そんな優秀な部長を見てきたから大丈夫なのかと心配してしまう。
「私はダンス部の部長をさせてもらっている不動
で、ダンス経験は中学入ってからで6年くらいかな。好きなダンスはポッピンで今は大会の練習をしているからあまり合わないかも知れないけどよろしくね。」
「よろしくお願いします。」
6年もダンスをやっているんだ。・・・剣さんの5年でも長いと思っていたのに、それよりも長いんだったら・・・だから部長をやっているのかな?
「さっきは水くれてありがとね。あの後直ぐ練習が再開しちゃう所だったから、買う時間が無かったんだよね。助かったよ。」
「よかったです。」
それなら良かった。もし有難迷惑かも知れなかったから心配だったし。・・・そう言えば新しい水を買うの忘れていたな。この後買いに行こうかな。
「自己紹介も終わったみたいだし、入部届は渡しておくから帰りにでも出しといてよ。僕か部長か職員室にいる顧問に渡してくれればいいよ。」
「ありがとうございます。」
すると、もう言いたい事は終わったのか弓香さんも剣さんもどこかに行ってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ご覧にいただきありがとうございました。
面白かったらぜひ感想や評価をお願いします!!!モチベに繋がります!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます