第12話
12話
「それじゃあ、一緒に練習をしましょう!」
「あ、はい。」
約束していたので、三月さんと練習をする事になった。・・・でも、部活が部活として機能していないのは、、、、まあ良いのか。
大会に出る主力組は体育館で練習をしているみたいだし。多少は自分の事をやってもいいのかな?少人数しかいないし。
「練習する前に着替えて来ますね。更衣室はどこにありますか?」
自慢するようで持ってきたのはシューズだけでなく、貰った服ももってきていたのだ。・・・使うとはおもってもいなかったけど。
だけど、ワイシャツでダンスの練習はしたくないので持ってきてよかった。結果論ではあるが。
「ここの棟には更衣室はないので、体育の時に使う更衣室に行くか、トイレで着替えてきてください。」
「ありがとう。」
ここは更衣室から結構離れているので、別で着替えるところは無いのかなと思ったがそううまくはいかないらしい。・・・更衣室に行くか。折角貰ったものを次の日にトイレで着替えるのはあまり好ましくないからね。
「それじゃあ、少し行ってきますね。」
そう言い、俺はここから離れて更衣室に行くのであった。
☆
やっぱり男子更衣室って遠いよな。体育館の横にまで行かなければ行けないから、ダンス部の部室からだと結構の距離がある。
「よし着替える事は出来たし、戻ろうかな。」
体育館からはもう何も聞こえなくなっていた。・・・練習は終わったのか、休んでいるのか分からないがさっきここを通ったときとは違っていた。
・・そう言えばダンス部に入るとしたら、ここにいる大会に出る人とも合う事になるから挨拶位した方が良いのかな?・・・まあ、急ぐことでもないし入部してからでいっか。
そう歩いていると、体育館から誰かでてきた。
「あれ?誰かいるの?」
俺がいる事が分かったのか、こっちに声をかけてきた。
「あれ?きみ、うちにいたっけ?」
それは俺の恰好を見て言ったんだろう。明らかにこの学校でダンス部しかしない恰好をしているので。
「あ、剣先輩に誘われて部活見学をしている春樹と言います。・・・今は部室の人たちの見学をさせてもらっているんです。」
「・・・あいつ。一言言いなさいよ。。。。ごめんね。今は大会の練習で手が離せないから、また後でね。」
「ありがとうございます。」
・・・あの剣先輩なにもいわないで俺を見学させていたけど、やっぱり何か言った方が良かったのかな?・・・まあ、許可は出たみたいだし別にいいかな。
すると、水分補給に出てきたのか手に持っている水筒で飲もうとしている。・・・じゃあ、そろそろ行こうかな。もう話す事は無いみたいだし。
「あれ、水が・・」
と思ったが、その水筒からは水が出てこなかったみたいで、焦っているみたい。・・・もしかして、練習がもうすぐ再開するのかな?
そう思うと、何となくここに来るまでに買っていたミネラルウォーターを思い出した。多分鞄の中に入っていたと思うけど。
俺はその焦っている様子を見ると・・・鞄を開けその中から未開封のペットボトルをとりだした。
「これいいですよ。俺もう一本持っているんで。」
「え。」
何となくであったが、良い事をしたらこっちも心が温かくなるものだ。もし「いいよいいよ」とか言われたら、こっちが恥をかくので、そのまま押し付けてそのまま歩き始めてしまった。
「ありがと~!」
・・・水、無くなっちゃったな。まあ、いっか。
☆
「戻りました~」
部室の方に無事何事もなく戻ることが出来た。途中で大会の練習をしているダンス部の人と出会ったけど・・・まあ、何事も無かった。
で、部室に戻ってきたんだけど、、、剣さんとかはどこに行ったの?まあ、三月さんがいるからいっか。
「あ!こっちだよ1」
部室が広いとは言ったが、昨日のおじさんが指導していた場所に比べたら全然狭いのだ。だけど、この人数なら心配する事もない。
「よろしく。」
「うん、こちらこそ。・・・じゃあ、まずは準備体操からしようか。ダンスはちゃんと伸ばさないと怪我しちゃうからね。」
・・・おじさんの所に行った時は、準備体操なんてしなかったよな・・・。
「そう言えば、最近始めたんだよね?」
「そうですね、昨日知り合いに教えてもらって・・・。」
「え!昨日の今日であそこまで踊れたの!」
ま、まあ、俺もあそこまで出来るとは思っていなかった。でも、ステップだけでそれも限られた3種類だけだら、ギリギリ出来たんだと思う。もし、腕の動きを入れたら全くできなかっただろうし。
「それなら、アイソレーションはまだやった事は無い?」
「アイソレーション?しらないです。」
何かの技なのかな?昨日教えてもらったのはステップだけだから、分からないな。
「アイソレーションは・・・こういう風に体の部位を別々に動かす事をいうんだよ。例えば首を動かすときはそれ以外の胸とかを動かさないとか。」
すると、三月さんが見本でやってくれているのだが・・・首だけが動いている様子は何というか、人間の動きではない気がする。
その動きがどれくらい凄いのか分からないが・・・試しにやってみるが全然出来ない。
「ははは、胸も動いちゃってるよ。・・・まあ、こんな風な動きをアイソレーションっていうんだけど、ダンスでは凄い大事な技術だからこれから毎日やろうね。」
「大事な技術?」
「そう、アイソレーションが出来ると・・・ちょっと待ってね。」
三月さんは少し離れ、音楽をかけるとそのアイソレーションの動きだけでダンスをし始めた。
・・・体を別々に動かすだけなのがそんなに重要なのか?と思ったが、そのダンスは重要性を意識させるのも出会った。
例えば胸だけ動いている状態・・・その動きだけでも、それっぽさが見せてくる。
「これが出来ると、動きにメリハリとか、・・・動きの幅が大きく成るんだよね。それに、一つ一つの動きに魅力が出てくる。アイソレーションを練習しているかしていないかで、差が出来て来ちゃうから、ちゃんと練習をしておいた方が良いよ。・・・で、これに動きをうわえると。」
すると、そのアイソレーションしかしていなかったところに、それ以外の動き。ムーブを入れていくと、さらにその重要性が理解できて来た。
ダンスの動きは体の動かし方が大切なのだろう・・いま三月さんがやっている動きには全てアイソレーションが入っている。もしかしたら、俺が教えてもらったステップにもアイソレーションが入っているのかも知れない。
・・・動かさない。それだけでここまで魅力が出るのはダンスの特徴なのか。。。。これが表現なのか。
俺はその動き一つでダンスに足しての興味が溢れてきた。
「ふう、こんな感じでダンスにはアイソレーションが必須なんだよね。」
「アイソレーションはどうやって練習をするんですか?」
「ん~、部位ごとにコツがあるから早速やろっか。」
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