第7話



 7話


 えっと・・・ここでいいのかな?


 そこは昨日おじさんに教えてもらった住所の場所なのだが・・・想像していた建物のの部屋一つにある小さいレッスン教室の様なものではなく、でかい、その場所だけでその土地が完結している・・・体育館の様な場所であった。


「あの人教えているって言っていたよな・・・ここで?」


 いや、ありえないとか言ってはいけなのかもしれないが・・・ここまで、デカい場所で指導を打っている人にアウトは思わないじゃないか。


 ただ、そこで立ち止まっていても何も起きないので、恥ずかしながらそこをくぐっていく。間違っていてもいいと思いながらも。


 するとどうだろうか、目の前には受付があったのだ。・・・・俺どうやってこの受付を通ればいいんだ?


 ただ、その受付の隣にはダンス教室と書かれている、看板が威圧感たっぷりに立っていた。


 間違いなくここじゃんとおもいながら、おじさんに合うにはここを通らなければ行けないのかと苦悩の顔を浮かべなければ行けないようだ。


「こんにちはダンス教室はもう終わりますが?どういたしましたか?」

「・・・」


 どうしよう。・・・おじさんに呼ばれたって言えば。。。。。俺おじさんに名前知らねぇじゃん!!え?どうするの?


 最低限名前を知っていれば受付の人が合否を聞くことくらいは出来たかもしれない。だが、俺は名前も知らない人から今日ここに来いと言われているわけだから・・・めっちゃ怪しいんだけど!


 どうしよう・・・


「どうかしました?」


 ・・・そう言えば、、、名刺を貰っていたよな。あのグっちゃグチャの状態で渡された名刺。あの時は、なんで裸の状態でしまっているんだ?と思って見もしなかったが・・あの名刺が役に立つ時が来るとは。


 たぶん、しまうところが無くて適当に電車定期ケースに入れていたはず。・・・あった!


「あ、あの!この人に呼ばれまして。17時にここに来いと。」

「えっと・・・少し見せてもらえますか?・・・担当の者に確認させてもらいます。そのこの椅子で座ってお待ちください。」


 あ、受けたッと気なんでこんな状態なんだよ。って顔されたんだけど。・・けっして俺がやった訳では無いんですよ!元々、と言うか渡された時にはそんな状態で俺も受け取りたくなかったんです!


 俺も日本人ですから名刺はじゃんと保存しますよ!それは元々ですけど。


 まあ、それはさておき、聞きに行ってくれたのでまずは一安心だろう。もし、ここで俺の話を聞かないで追い返されたらどうしようもなかった。・・・しょうがないけど、そのまま帰るところだった。


 ・・・人見知りの俺には結構な神経を使った。一度の緊張容量がキャパオーバーしそうだった。

 そんなこんな、10分ほど座って待っていると、受付の人がおじさんを連れて戻ってきた。ちゃんと伝えられたみたいだ。


「お、坊主来たか!そこのお姉さんに色々預けているから、全部貰って着替えて来いよ。待ってるからな。」


 ・・・あ、言いたい事だけ言って行った。ここで指導しているから・・・まだ忙しいのかな?一応ダンスレッスン?はもう終わっている時間みたいだけど。


 まあ、着替えに行けばいいのかな?


「こちらをお使い下さい。」


 そこにあったのは、俺が来た時もあった謎の段ボールであった。ゴミ一つないくらい綺麗にしているここには合わない威圧感が合って、ここに着た瞬間に気が付いた。


 その箱に入っているのか。と中を見てみると、その中の中にいっぱいに服やら靴やらが入っていて、本当に使って良いのかと疑問を覚える。


 ・・・それにしても多くないか?それに新品だし。


「あ、こちらを書いた後向かい側にある更衣室で着替えてください。このダンボールは持って行っていいですよ。更衣室の方にロッカーがあるのでそこに入れといてください。」

「ありがとうございます。」


 ・・・まあ、何も持っていないんだ。着るしかないよな。


 俺は言われた通りに名前などを書いて、着替える事にした。


 ☆


「お!来たな、こっちにこい!」


 スタジオに入った瞬間、そこには昨日出会ったおじさんがそこにはいた。だが、おじさんだけではなく、他にも大勢の若い人が大勢いる。


 さっきまでダンスレッスン?をやってたからだろうが、それにしても・・・人が多くない?そこのスタジオには暑苦しい程の人がいた。


 そしてその殆どの人は、レッスンが終わったのにもかかわらず、まだスタジオにとどまろうとしているよう。・・・ダンスの練習をしているからだ。ここにいる人はダンスに対して真剣にやっており、がんばっているようだった。


「こんにちは。」


 俺はおじさんがいる、奥の方の一面ガラス張りで、場所的に一等地のところにいどうした。・・・こんなに人がいるのに、おじさんと俺だけで一枚分の鏡を使うのはなぜが、罪悪感が出てくる。


 俺のような、初めての若造が使うんじゃなくてもっとうまい雰囲気が出ている、・・・あんな人がつかったほうがいいのに。


 上手い人を探そうと周りを見渡すと、すぐにうまそうな人が見つかった。女性でダンスになれていそうな感じがする。


「似合っているじゃねえか・・・でも黒くねぇか?」


 俺がいま着ている服は、箱の中にどっさり入っていた中から適当に選んだものだ。ただ、俺が全部選んだか?と言われればそういうわけではない。


 箱の中にはある程度コーデ?が固まっておいてあり、そのコーデの中から適当に選んだのだ。・・・だから、それらしいダンスの練習をしている。初心者には見えない感じであった。


「結構派手な服が多かったんですよね。」


 そう、あの箱の中には俺が知らないコーデ。前衛的すぎる服が多かったのだ。・・・毎日家でFPSをする俺には少し早すぎた。


 だからその中でも俺の好みに合う服を選んだのだが・・・派手なのが苦手だから、あまり目立たないような黒系の服で固めてしまった。


 これだと、黒すぎて反対に目立ってしまいそうであった。


「まあ、どうせ練習用の服だしな。なんでもいいか。・・・そういえば、あの服は全部坊主にやるから派手でもちゃんと来てくれよ!」


 その瞬間俺の世界は凍った気がした。いい意味でも悪い意味でも。


 え、聞いてないんだけど。・・いやありがたいんだけどさ。多分だけど、、、いや確定でこの服って高いでしょ。


 だって着心地やばいんだもん。めっちゃすべすべで、俺がいつも着ている服とは比べ物にならないくらいやばいよ!


 それがあの箱いっぱいに詰まっているんだよ!さらに言えば、このシューズだって。。。。いくらなんだろう。


 いや、貰い物の値段は気にしたらだめなんだと思うけど・・・。


「ありがとうございます!」


 こんな事をされたらもう、ダンスをやる以外の選択肢がなくなるよ!


「そんじゃあ、始めるか。ここ貸し切っているのもあと3時間くらいしかないから、清掃を合わせて・・・早くやらないとな。」

「何をやるんですか?」


 昨日ここに来いと言われたがいいが俺はダンスの指導をしてくれること以外何も聞いていない。


 だから、結構ドキドキしている。初めてのダンスレッスンだなのだから・


「ダンスは初めてって聞いたからな。どうしようか考えたんだが・・・まあ、まずは適当に踊ろうぜ。」


 え、それは予想外


「なにか基礎的なことは・・・・」

「そんなのは家でもできるだろ?・・・教わるんだったら俺にしか教えられないことにしたいじゃないか。」


 確かに、最近だとダンスのうまくなる方法とかで調べたらいくらでも出てくる。無料で・・・それなら、たしかにおじさんにしかできないことを教えてほしい感じはする。


 でも、何も知らない俺が適当に踊ってなにか学ぶことがあるのだろうか?・・・本当に初心者だから。言いたいことがわからないなんてこともあるかもしれない、


「ただやることはたった3つだけだ。流した曲に合わせて教えるステップをするだけ。」


 あ、それならできそう?

 昨日やらされた、ここだと思ったときにダウンをする。みたいな感じのことだもんね。


 それを同じ感じでやればいいんでしょ。


「まず、1つ目のステップがこのスキーターラビットだ。・・・見ての通り片足を蹴った後、その足を前に出すんだが、これを連続してやると・・こんな感じでカッコ良くなる。坊主も一回見よう見まねでやってみろ。」


 ・・・どうやるんだ?体を動かさな過ぎてそもそも、蹴る動作が分からない。サッカーとかもやったことないし・・・本当におじさんの動きを見て同じ動作をするしか出来なさそうだ。


 えっと。。。膝を軸にして蹴るのかな?


「よ!」


 すると何と言う事か、蹴ろうとした時に反対の足に体重をおいておらずバランスを崩してし待ったではないか。それは運動音痴とかそのレベル以下の身体操作であった。


 これまで真面に運動をしたことが無かったけれど、ここまで無様な事になるとは思ってもいなかった。・・ただ、蹴って足を出すだけだと思っていたけど・・・なんで転ぶのかな。。


「・・・まあ、今でやったことが無い動きだからな。・・・しょうがない。」

「すみません。」

「でも・・・坊主。鍛えがいがありそうだな。もう一度やってみろ。」


 なぜかバランスの事を忘れていて、転んでしまったけどここで見捨てる様な事無くもう一度教えてくれるのは・・・なんかうれしい。

 これだけ、人がいう場所でやるとなぜか自分が小さく思えてきてしまい・・俺以外にも人は居るのに、と思いそうになってしまう。


「・・・よっと。」


 今回は転ばないようにちゃんと重心移動をして蹴った後、足を前に出してそのスキーターラビットが出来た。・・ただ、おじさんの様に綺麗ではなく、凄いカクカクしているような感じがする。


「・・・すげぇじゃねぇか!俺の動きをちゃんと見ていたんだな。」

「?」

「ちゃんと膝から蹴っているって言ってんだよ!・・・結構あるんだがな、腰から蹴る奴がいるんだよ。それを見て毎回ちゃんと俺の動きを見ろよって思っちまうからさ。」


 あ〜確かに・・・運動は全然出来ないから、愚直に全部をまねようとしたな。


 怪我はしたくないから、同じ動きをしたら・・・って思ったけど。


「まあ、これからもちゃんと見ろよ!見る事が上達の秘訣だからな。」

「はい!」


 まあ、ダンスの事はまだ良く分かっていないから見なきゃ分からないんだけどね。


「それは出来ているから次に行くぞ。ちゃんと見てろよ?

 次はツイストだ。・・こんな感じで後ろの足を回しながら前に出す。」


 ・・・簡単そうだけど。・・・出した方の足には体重は乗っていなさそうだな。さっき転んだかrあ体重の事は凄き気になってしまう。


 ・・・それに回すって言っているけど。。。あんまり回しているようには見えないんだよな。


「・・・」

「そう!そんな感じだ!・・・で、最後がスク―ビードゥ―って言う、ロックダンスのロックの部分だ。さっきのスキーターラビットと似てはいるが、片足で蹴ったあと反対の足に切り替えて、そっちの足を前に出す。・・こんな感じだ。」


 あ、本当だ。確かに似ているような感じはする。だけど、スク―ビードゥーは漬かったらその時点で、他の動きに行けなさそうな。・・・全身をカチッと止めてロックしている。


 1つめや2つ目は、結構他の動きとつなげることが出来そうだったから、これは絞めに使うのかな?


「・・こんな感じ?」

「OK!じゃあ、その3つを使って今からダンスをしてもらう。・・・もちろんお手本として俺が先にやるからな。」


 え、この3つだけでダンスが出来るの?踊るには動作が少なくない?


「それっぽい曲に変えるか。」


 そうすると、適当にこのスタジオ全体に流していた曲を変えてしまった。こんな様子を見ると、本当に指導者と言う立場なんだなと思ってしまう。


 曲はクラブで聞いた感じのに似ている気がして、はじめてきいたかんじがしない。


 すると、おじさんが踊り始めた。そのダンスは俺が教えてもらった3種類のステップだけなのに、ちゃんと踊れている。それどころか、その3種類だけで十分と言うほどのダンスである。


 俺も同じ事が出来るはずなのに・・・これがダンス歴の差なのか。おじさんと同じ状況になった時、同じダンスが出来る気がしない。


 いや、まだダンスを始めてもいないから諦めるのは速いのかも知れない。だけど、さっきステップを教えてもらったとき、ここまでいろいろな表現が出来るとは思わなかった。ダンスに対してちゃんと理解をしていかなければ行けないのだと、再認識させられた。


 もし、俺が自己流で練習しても、このような事は思わなかっただろう。・・・だから、このような事をしてくれて感謝しかない。


 これから、俺は練習してダンスを上手くなるのだと。


「こんな感じだ!よし、すぐやってみろ。」

「はい。」


 ・・・やってみろと言われたが、何もできる気がしない。・・・いや、俺にはおじさんのように曲が流れたら直ぐに踊りだすことなんてできない。


 それに、おじさんがすごいダンスをした直後だ。おじさんのダンスを見ていた周りでダンスの練習をしていた人たちの目が気になってしょうがない。


「どういう風にダンスをすればいいんだ?」


 誰に対してでもないだたの独り言。その言葉は俺が意図的に出したものではなく、不安と緊張で自然と出てしまった言葉であった。


 それもそうだろう。

 俺はダンス初心者で、そんな右も左もわからない人間たいして急に踊れと言っても、どうすればいいかわからない。


 もしかしたらこのダンスには正解があるのかもしれないし。それに、もし俺が自由に踊ったとして、その様子が無様かもしれない。


 そんな状況で気軽に踊れる精神は俺にはなかった。


 だから、出てしまった。思わず弱音が。


「・・・俺のダンスを見ていただろ?」

「え?」

「同じように踊ってもいい。」


 それは俺のダンスの・・・価値観を変える1手だと言ってもいいだろう。


 無意識に思っていた。同じダンスはだめだと。同じことをやっても評価はされない。・・・それは学校でなんとなく植え付けられたことだった。


 友達とは別のことをしなければいけない。あの人と同じことをやっちゃってる。自分が変えなきゃ。


 そんな、行動を無意識に取ろうとしていたみたいだ。成長するには真似をすることが大切だと思っていたのに、こと創作。


 自由なことになると、おじさんの真似はだめなことと思ってしまっていた。


 そんな価値観が壊されたとき、選択肢ができた瞬間、俺は勇気がでてきた。


「お願いします。」

「スタート。」


 おじさんが流した曲は、さっき踊っていた曲と同じであった。

 さっきおじさんが踊っていたから、どんなふうに踊ればいいか・・・真似でがあるが踊れる気がする。


 俺はおじさんがやっていたステップを思い出しながら踊ることとなった。




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