ぜつ☆ばん その7
ボクの名はクロ。ご覧の通り、黒猫だニャ。ちなみに雄ニャ。
え? なに? 見えない? そんなこと知らないニャ。見れば分かるはずだニャ。ボクは生まれたときから黒猫だし、ついでに言えばダイリュートだし、その事実は決して揺らぐことなんかないんだニャ。
年齢は、たぶん八歳? くらいだと思うニャ。でも野良だから、自分の正確な年も誕生日も知らないし、それで困ることなんかないんだニャ。
さっきからニャとか言ってるけど、猫の八歳は人間で言うと五十歳くらいになるニャ。つまり、おっさんだと言って差支えはないのでござるニャ。
ちなみに、野良猫というものの平均的な余命は五年くらいだと言われているニャ。八年も生きて、そして地域のボス猫をやっているボクは、それだけで大物なのだニャ。孕ませた雌の数だって、両手の肉球の数だけでは足りないくらいニャ。
ところで今日はこれから、三丁目の空き地で野良猫の集会があるんだニャ。ボクが司会進行役だから、そろそろ向かわないと間に合わな――
キキキキキィー!!
はっ!
向こうからトラックが突っ込んでくるニャ! ボクは猫だから、つい反射的に立ち止まって警戒態勢を取ってしまったんだニャ! 死ぬ―ニャー!
グチャッ
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