ぜつ☆ばん その2
「……雑魚クセェ、オカマが」と、オレは吐き捨てた。
いや、別に今オレの足元に転がってる気持ちの悪いデブがそういう種類の人間だというわけじゃあないんだが、男らしさというものを美徳としてもって鳴るオレにとって、『オカマ野郎』という悪罵は好みのものの一つだった。
「クロノちゃん。やりすぎじゃない?」
「急所は外した」
「なに時代劇に出てくるサムライみたいなこと言っちゃってんの。急所とか狙わなくても、人間は死ぬときは死んじゃうんだよ?」
「そんなことどうでもいい。それより、言われた通りにストーカー野郎は退治したぞ。約束通り、ヤラせろよ」
ショーコはいい女だ。ちょっとメイクがきつくて髪の色は抜きすぎだが、あそこもきついし口で抜いてくれるときのテクがすげーんだ。
「そりゃいいけど、ここじゃイヤだよ。クロノちゃんち行く?」
「お前の家は? ここからなら近いだろ」
「お袋が誰か知らない男とファックしてたから、戻りたくない。クロノちゃんちがいい」
「そうか。じゃあ行こう」
で、帰ってみたら、ユミがいた。
「ちょっと。達樹ってば、今日はウチとする約束やん。なんでショーコ連れてくるん」
「あー。そうだった。すっかり忘れてた」
「クロノちゃん、ひどーい」
「いいだろ。じゃあ三人ですれば」
「さいてー。あたしはいいけど」
「クロノちゃんとショーコがいいなら、ウチもかまへんけど」
というわけで三人でヤることになった。
「クロノちゃんさー。14歳で、年上の女を二人も侍らせてこんなこと覚えて、ほんと悪い子だよねぇ」
「うるせえ。いいからもっとしゃぶれ」
「達樹もー。お口がお留守になってんでー」
ん?
なんでオレがこんな生き方をしているかって?
それは、数年前のちょっとした出来事に関連がある。
なに、知りたいのか? しょうがねーな。面倒くさいけど、説明してやるか。
それは、オレが八歳のときのことだった。
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