第10話 秋のきらめき

■秋のきらめき

◉20代女性 1、2

◎11月上旬、駅ナカカフェの一角に向かい合って座っている。

女性1 「ねー、本当に寒くなったと思わない?」

女性2 「だねー」

女性1 「ついこの間まであったかかったじゃん」

女性2 「そんなもんだよ。昨日も雨降ってたし」

女性1 「本当に今日雨じゃなくてよかったー」

女性1、つまらなさそうに机に突っ伏す。

女性2 「本当それ。で? 今日はどこ行きたいの?」

女性1 「紅葉みたい」

女性2、若干呆れたように返答。

女性2 「また漠然と……どの辺とかないの」

女性1 「えー京都とか?」

女性2 「遠くない?……これとかどう?」

スマホでSNSを眺め、気になる投稿を女性1に送る。

女性1 「ここ! ここ行こう!!」

勢いよく女性2の方を向く。

女性2 「はいはい」

女性2伝票を持って立ち上がりお会計をする。

女性1 「はやくー!」

女性1、女性2の手を引いて電車に乗り込む。

女性2 「ね、次の電車、観光用の電車なんだって!」

女性1 「観光用の電車?」

女性2 「そう!」

女性1、女性2の頭を撫でる。

女性2 「何―?」

二人の待つホームに電車が入ってくる。

窓に向かうようにセットされた座席に座る。

◎30分後

女性1、2 「「わぁ」」

女性1 「すごい! 一面真っ赤!」

女性2 「ほんとだー!」

スマホのカメラを起動させ、撮影する。

アナウンス 「まもなく、終点、終点です」

女性1 「もうちょっとだって!」

女性2 「どうなってるんだろうね」

女性2、車窓を真剣に眺めながら返事をする。

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