『即堕ち2コマ Part3』

 目覚めると、全裸の天使が俺の胸板に抱き着いてはすやすやと寝息を立てている。いつもは俺より早起きなリースだが、今日だけはまぁ、仕方ないだろう。

 のぞみが綺麗さっぱり治してくれたとは言え、リモーナに凄惨な目に遭わされたわけだし――だというのに、俺はそれはもうリースと情熱的に交わってしまった。


 いや、だってリースって最初から最後まで攻めさせてくれるんだもん。


 ちょっと触れただけで感じてくれるし、突き立てれば良い声で鳴く。

 おまけに俺は連日ののぞみの『ヒール』を絡めた連続セ〇クスのせいで、なんか以前よりもかなり性欲が強くなっている気がするのだ。


 ――以前は頑張っても日に3回が限度だったのに、昨日は軽く5回は出た。


「そ、ソラ様ぁ♡、こ、これ以上は、おかしくなっちゃいますぅ♡」


 寝言なんだけど、煽情的な声を出すリースにちょっとドキドキしてしまう。

 昨日あれだけしたはずなのに。……なんか元気過ぎて逆に怖いんだけど。別に困ることじゃないから文句も言えないし、始末が悪い。


 俺はリースの胸に手を伸ばそうとして、止める。


 淫行問題が起こってから日も浅いしどうせ今日も休みだろうけど、一応あるかどうか確かめに学校に行かなきゃいけないし、流石に平日の朝からってのはよろしくないだろう。


 俺は服を着てからリビングに出ると、のぞみがフライパン片手に料理している。

 のぞみは5歳から料理当番をしていたらしく(7歳からの俺より2年ほどキャリアが長い)それ自体は自然なのだが、トントントンとのぞみの隣で野菜を刻んでいるリモーナに驚いて目を見開いてしまう。


「おはよう、のぞみ。お前、なんかリモーナと仲良くなったみたいだな」


「おはよう、ソラ。そりゃ、一晩を共に過ごしたんだもの。ね?」


「え、ええ……。そ、ソラ様。おはようございます」


 リモーナはのぞみの言葉に顔を真っ青にしながら、そそくさと震える手で着ている服の全てを脱ぎ、土下座して挨拶する。リモーナは昨日、リースの仕込みを受けて挨拶の時は全裸土下座するようになっているのだ。


 全裸になったリモーナの身体は、恐ろしいくらいに綺麗だった。傷一つなく、欠損もない。のぞみが好きにして良いって言われて渡されて何もしないわけがないのに。

 リモーナは完全にのぞみに怯え切っているというのに。


「おはよう、リモーナ」


 とりあえず俺は土下座するリモーナの頭を踏みつけておいた。


「あ、ありがとうございます、ソラ様」


「……そう言えばのぞみ、念のため聞くけどそれは何を炒めてるんだ?」


「普通にキャベツとにんじんとピーマンと玉ねぎと豚肉だけど? 何? 王女様のお肉だと思った? お望みなら、王女様の朝食だけでも変更するけど?」


「ご、ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい。そ、ソラ様、あ、足を舐めさせて頂きますね。ぺろぺろぺろぺろぺろ。が、頑張って舐め舐めしますので、肉は、肉だけはお許しください」


 肉って……抉り取ったリモーナの子宮は昨日の晩御飯で全部リモーナに食べさせたはずだし、昨晩にまたリモーナのどっかしらの内臓なり肉なりを抉ったのかな?

 だからか、リモーナは必死に俺の足をぺろぺろと舐めている。最早王女どころか、人間としてのプライドすら見受けられない堕ちっぷりだった。


 そこまで嫌なのか、自分の肉を食べるのは。じゃあ――


「そうかそうか。リモーナはそんなにリモーナ肉が食べたいのか」


「ち、違っ! な、なんで? ご、ごめんなさい。王女だった私が、女の私が尊厳を捨ててこんなにも必死に懇願してるのにっ! どうかお許しください! あ、足舐めが不服と言う事でしたら、ゆ、床でも何でも舐めます!」


「なんでも?」


「は、はい!」


「じゃあ、リモーナの目玉でも舐めとけば?」


「ひっ、ご、ごめんなさい! そ、そうだ! ではソラ様のおちんちんを舐めさせて頂きます! わ、私、自分で言うのも何ですが、王宮の宝石と呼ばれてたくらいには見た目も良いですし、それに王家直伝の房中術を学んでいますので未経験ですけど、かなり上手だと思うんです! だ、だからっ――」


 確かにリモーナの見た目は可愛い。リースに負けず劣らずに。

 だけど挨拶程度の気軽さで躊躇なく全裸土下座を実行し、ちょっと脅せば簡単に床だろうが脚だろうが舐めてしまうほどに落ち切ってしまったリモーナに性的魅力はいまいち感じなかった。


 目を抉られようが、内臓を抉られようが、抉られたそれを晩飯に出されようが、それでも王族としての誇りとか矜持とかそう言うのを持ったままでいて欲しかった。


「床とか足を舐めたその口で舐められてもなぁ?」


「そ、そんな! では、口を濯いで――」


「濯いでも床と足を舐めた口ってことには変わらないじゃん」


「えっ、で、でも、わ、私には――」


 丁度料理を終えたのか、のぞみがリモーナの側に来てこしょこしょと何か耳打ちをする。いつの間にか土下座を辞めて俺に訴えかけて来ていたリモーナはのぞみの言葉を聞いてサァッと青い表情をした。


「で、でも、そうしたら、私は……」


「ま、別に一人だけ特別メニューを作る手間自体はそんなでもないから良いけど」


「嫌。でも、でも……」


 リモーナは大粒の涙をぼたぼたと流しながら顔を青くして、碧い瞳をキョロキョロとしながら凄まじい葛藤を見せて来た。

 リモーナはごくりと生唾を飲んで、意を決したように。


「く、口がダメなら、し、下の口の方でご奉仕致します。こちらはちゃんと処女で未使用ですので、汚くはないと思います」


 リモーナは心底屈辱そうに、嫌そうに――でも、自分の肉を食べる方が嫌だったのか、そんな懇願をし出した。

 ボロボロと泣きながら懇願するリモーナは正直エロかった。


「そこまでお願いされちゃ仕方ないなぁ。じゃあ、リモーナお前が自らやってみるんだ」


「くぅぅ、はい。解りました」


 リモーナは泣きながら、俺のズボンに手をかけた――



                 ◇



「おはようございます、ソラ様。遅くなってすみませ……ん?」


 行為の時間は三十分程度で、回数も一回だったけど――終わるころに丁度リースが起きて来た。全裸で放心しているリモーナと、俺の腕にギュッと抱き着いてべったりしているのぞみを見て驚いている。

 のぞみは、リモーナと俺の一部始終を見て――それで嫉妬したのだ。


 確かに泣きながらするリモーナはちょっとのぞみを彷彿とさせたし、見た目自体はのぞみより可愛かったけど、のぞみの魅力はそこじゃないのだ。

 俺はのぞみのことをそれなりに気に入っている。少なくともリモーナよりずっと。


 だが、敢えて慰めることもない。


 寧ろ嫉妬するのぞみは突き放すくらいがちょうどいい。腕に抱き着くのぞみを軽く突き飛ばすと、のぞみが凄く哀しそうな表情をした。


「じゃ、リース。朝ごはんにしようか」


「は、はい。あの、良いんですか?」


 別に問題ない。俺に突き放されたのぞみとリモーナが放心しているのを尻目に、のぞみの作った――ちょっと冷めた野菜炒めをリースと食べた。

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