第77話 アオと遺跡とホムラ

飛び込むと内部は暗く全く見えない状態だったのだ。


「真っ暗ね、ランタン出してっと『ミニファイヤー』明るくなったわね、でもこれだけじゃ剣士の人達が帰って来れなかった理由にはならないわね、入り口の方は」

「あ、出れないですね」


ポヨンと行った感じで弾かれた。


「そろそろ来るかしら?」

「そうですね」



少し待って居ると...。


「アオ居るか?あの火はヴィクトリア団長?」

「うむ」


あれ?心無しか2人の声が高い気がする。


「こちらでーす!ヴィクトリアもこっちに居ますよ!」

「アオ、あれ?」

「ヴィクトリア団長嫌な予感がします...2人の身体をちゃんと確認しましょう...」


この違和感を私は知ってる、そう異世界に始めて来た時の。


「アンドリュー団長ですわよね?本当に?」

「そうだが?」

「ホムラも...見たい」

「あれ?俺女の身体になってる?」

「む?」


そう2人とも身体が女になって居たのだ、これが剣士だけの人達では攻略出来なかった理由そして、悲劇の原因。


「不味いわね...だから剣士の人誰1人帰って来なかったのだわ」

「魔法は使えます?頭に思い浮かぶはずですけど」

「俺は火魔法って」

「自分は土魔法と書いてある」

「じゃあホムラ、ファイヤーボール使って見て?」

「分かった、『ファイヤーボール』」


すると小さい火の弾が出ただけで戦えるレベルじゃない...。


「これ剣士だけならほぼ終わりですよね...」

「しかも2人の身体がどうやったら元に戻るのか分からないわ...とりあえず前に進むしか無いようね」

「分かった」

「はい」

「ホムラの事絶対守るからね!」

「ありがとうアオ」


今私が出来るのはホムラを勇気付ける事と守る事だけ、だから絶対に生きて皆んな元通りに帰らないと。


「剣重...」

「筋力まで無くなるのね」

「というかふたりとも...」


胸が大きい、私に対する嫌がらせだろうか身長も高くてモデルさん見たい、やっぱり嫌がらせ???。


「アオジロジロ見てどうしたんたい?」

「別にぃ!何も無いよ!」

「何でキレ気味...」

「自分で考えてみて!」


何かイライラしちゃったけど、私には正当な理由があります!。


「敵が来たわよ!戦闘の用意はいい?」

「私は大丈夫です!」

「邪魔にならないようにします」

「ああ」

「燃やせ!赤く染めあげろ!『ファイヤーウォール』」

「ヴィクトリア流石!」

「もっと褒めてくれても構わないわよ!」


こんな調子で私達は奥に進んだ、別に分かれ道があったりする訳では無く中心に向かってグルグル歩いている状態で、そんなに敵も強くないのでどんどん奥へと進むことが出来ていた。


「この遺跡不思議じゃない?」

「ああ確かにな」

「え?」

「俺にはよく分からないけど」

「重要な拠点にしては手薄なのよ、もちろん入り口のリュサといい、男が女になる入り口は厄介だわ、でも種が割れてしまえばそんなに難しい事じゃないもの、それに産卵場所が中心とは思えないわ、小さすぎるもの」

「ああ、地下だな」


流石に団長をやっているだけあって頭がいい...私は分からないというか、そもそも考えてなかった...。


「中心についてからが本番よ!覚悟してね!ホムラとアオ!」


■■■■■


「中心に付いたわね、やっぱり地下へのでかい縦穴があるわね、梯子があそこにあるわ!気をつけて降りましょう」

「下が見えないし蜘蛛がかさかさ上がってくる...あ」

「アオどうしたの?」

「下、地下で出口ここしか無いですかね?」

「無いんじゃないかしら?」

「じゃああれをします!」


何言ってんの?みたいな顔しないで!見せてあげるわ!。

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