第74話 アオは戦争に参加する

初日の夜


シャワーは要塞内にはあるみたいで、水魔法を使える人が貯水槽に水を貯めて使ってる見たい。

普通の兵の人は入れないのか、テントで野宿をしている私達だけ良い所で寝かせてもらうのは申し訳ない気持ちになってしまう。


「今宵は宴だ!勇者様が来てくれたぞ!この勢いで戦争を終わらせるのだ!!そして再びの平和を!!!」

「うぉー!!」


宴が始まり皆んなに活気が出る、が参加しているのは1部の人達だけで気になる所はある。


「王様!これで我々の勝利も安泰ですな!」

「そうだとも!この調子で我々が勝つのだ!目指すはスヘラ城!」


聞いていてもつまらないので私はホムラの元へと向かった。


「ホムラは楽しい?」

「俺は楽しいかな!思ったより堅苦しくしないでも良いんだなって、それに陽気な時に楽しまなくてどうすんのって話よ!」

「そっか、私気を張りすぎてなのかな?不安で...」

「皆も不安だろうさ、でもその気持ちを吹き飛ばす為に明るい気持ちでやるんだよ!」

「言われてみたら確かにね」


よく見ると隈が出来てる人も多くいて、部下の死を目の当たりにして来たのかもしれないとちゃんと考えたら、色々あるだなって気づく事が多い。


「アオはこういうの苦手?」

「そうかも?前世ではあんまり人と会話する事無かったし、こっちに来てから話する様になったかな」

「そっか、俺はよく皆んなと遊びに行ってたから、でもそういうのって皆んなと居ないといけないっていう不安感もあったんだよ、要するに皆んなでこうやってワイワイやるのも不安感を紛らわす為って思ったんだ、さっきのだと言葉足りないかなって思って今言ってみた」


ホムラは途中は寂しそうに、最後には笑顔でそう語ってくれた。

皆んな色々抱えてる、今思えばセリアもエリアスお姉ちゃんも隠してる事はまだあるのかも知れないと私は思った。


「そう言えばホムラはこの戦争が終わったら何がしたい?」

「え...アオと結婚出来たらいいかなって」

「酔ってるでしょ!!」

「酔ってないって...」


こうして1日目の夜は終わったのだった。


次の日の朝


服装はユリカ騎士団の正装で良いそう(昨日もそうだったけど)着替えて王様の所へ向かう。


「アオおはよう」

「ホムラおはよう」

「これから戦場か緊張してきた」

「うん、絶対死なないでね」


王様は戦場に既に出撃してるそうで、戦場に向かって欲しいと言われた。

その後は訳の分からないまま部隊に配属され、訳の分からないまま魔法を撃つこととなり気づいたらお昼になっていた。


「あれ?この子誰?」

「さぁ?」

「あの」

「はい」

「貴方誰ですか?見たところユリカ騎士団の子なのは分かるけど」

「あれ?王様昨日...」


よくよく考えたら昨日王様勇者が私だと紹介してなかった...王様何やってるの...。


「あ、私の名前はアオといいます!一応勇者です」

「え?」

「え?」

「不味いわよ!誰!?こんな所に配置したの!」

「ヴィクトリア団長貴方ですよ?」

「ミラも何で言ってくれないのよ!」

「私も知りませんよ」

「私どうしたら...」

「とりあえずお昼にしましょう、はい干し肉!」

「ありがとうございます」

「どうします?」

「うーんどうしよう...しかも既に戦いに参加させちゃってるし...魔法も強いのよね」

「そりゃあ勇者様ですからね」


私は我関せずみたいな感じでとりあえず自分で水を出して、干し肉をちびちび齧りながら待って居ると。


「とりあえず夜まで頑張って貰えない?」

「いいんですか?ヴィクトリア団長」

「しっ!知らなかったって事にすればいいのよ!」

「まあ魔族は厳しいですが魔物相手なら倒せるのが分かったので」

「良かった!じゃあお願いね!」


こうして戦場での初戦闘はグダグダながら始まった。

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