第70話 アオは騎士見習いを稽古する
突如先生役として団長に任命された私は、指定された場所へと向かっていたのだ。
「すみませーん」
「はーい」
「ユリカ騎士団の団員の者です!」
「あ!今日言われていた人ですね!本日よりよろしくお願いします!こちらへどうぞ!」
「ありがとうございます!」
ここは一般人が住む場所の一般街の中でも人があまり寄らない所にある道場の様なものだと団長から聞いたけど...。
「はじめての方は驚かれますよね、こんなボロボロの家に訓練所があるなんて、でも一般の方が騎士団に入ったり修行するならこんなもの何です」
「そうなんですね」
「あ、ここです!」
はぁ!とかストーンバレット!とか声が聞こえて来た。
「先生お見えになられました!」
「え?」
「あの人じゃない?」
「そうそう!」
「お知り合いですか?」
私はとてもびっくりした、あの触手の事件で囚われていた女性達が居たのだから。
「はい、ある騎士団の事件解決の時に助けた女の子達です!」
「あーそうだったですね!」
「お久しぶりです」
「あの時はとても(精神的に)助かりました...」
「皆んなあの時助けていただいて、精神が病んだままの子も居ますが私達は騎士様達に憧れて、騎士団に入ろうと思ったんです」
普通の子はやっぱり立ち直るのも厳しいはず...それに私よりも長い間囚われて居たのだからきっと想像を絶するものなはずなのに...凄いなぁ。
「知り合いなら話が合いそうなので良かったです!今日からこの方が皆さんの先生役として働いて貰います!」
「アオと言います、団長から任命されて来たのでいつまでかは分かりませんがよろしくお願いしますね!」
「はい」
「はい!」
「よろしくお願いします」
こうして私は人生初の先生としての指導をする事になったのだ。
後どうやら昨日のパレードやらは見てない見たいで、私が勇者だって事は知らないそう。
「では何からやりましょうか...あ、全員魔法は何を使えますか?」
「私はオリビアと言います、使う魔法は土魔法です」
「私はエミリー!使う魔法は火魔法です!」
「私はルーナ、使う魔法は風です」
「皆んなバラバラ何だね、うーん魔法を見せて貰える?」
「分かりました」
「はーい!」
「頑張ります」
「じゃあ私から『ストーンバレット』」
オリビアさんはまあまあの速度と威力の魔法で驚いた。
「魔法強いけどどうして何ですか?」
「私たちは冒険者をやって居たのよ、だから普通の一般人よりは強いのよね」
「じゃあ他の2人もですか」
「『ファイヤーボール』」
「『ウィンドカッター』」
エリアスお姉ちゃんより少し弱いくらい何であまり教える事が無い気がしてきました...。
「皆さんお強いですね!」
「あの触手達には負けたから...」
「ルーナさん...」
「だから私達もっと強くなりたいの」
魔法面では私やエリアスお姉ちゃんみたいに補正がある訳じゃないから、いきなり強くはならないだろうし...あ、でもあれなら。
「皆さんって走ったりします?」
「走らないわね」
「走らない!」
「歩きたい」
「そうなんですね、何故なんですか?」
「私達は冒険者の時は男の騎士に守られる事が普通だったので、走ったりする必要が無かったんです」
「騎士団だと魔法使いでも良く体術の訓練や走り込みをして体力を増やす訓練があります、団長が言うには基本逃げる為に、体力を付けないと行けないと言います、なので真似して体力を増やす訓練をしましょう!」
「はい」
「はーい!」
「頑張ります」
こうして私は騎士見習いの子達に体力増強をはかるのでした!
追記ルーナのやる気が無さすぎて心配です...どうしたらいいんでしょうか...。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます