第68話 アオはパーティに参加する

「では!アオ様ホムラ様!控え室でお待ちくださいませ!」

「はーい」

「また後でね!」

「では!あ!エリアス様入ります?はーい」

「やほ、アオとホムラ」

「エリアスやほ」

「どうしたの?それにドレスって事はもしかしてパーティ?」

「そう、僕も出る」

「エリアスのドレスも可愛いね!」

「そうそう!黒いのドレスよく似合ってるよ!」

「ありがとう」

「ダンスとかどうしたらいいんだろ」

「僕も分からない、誘われたら踊ったりしなきゃいけないけど、誘われた事ない」

「以外だね!アオっちは可愛いし誘われるかもね!」

「そんな事言ったらホムラもキャーキャー言われてたし来るんじゃない?」

「僕的には2人とも来ると思うよ?勇者と結婚して子供出来たら、絶対強い子が産まれるってイメージ強いから」

「求婚されると...」

「好きな人が居ますって俺は言って断ろっかな」

「え!?」

「嘘でもいいと思うよ?」

「嘘ね!ああ!」


びっくりしたって何で私はびっくりしてるんだろ...顔も心無しか赤くなってきた。


「じゃあアオとホムラまた後でね、僕行かないと」

「またね!」


私は何も言わずに手を降っておいた。


■■■■■


そしてホムラと少しおしゃべりをしていたら。


「時間です!アオ様!ホムラ様!」


呼びだされたので私達パーティ会場へと向かった。


■■■■■


「あらま、良い指輪ですね」

「貴女も良いネックレスじゃない!夫に買ってもらったの?」

「はぁ結婚相手探さないと」

「こっちは縁談だよ...」

「1曲どうでしょうか?」

「すみません」


色々な会話が聞こえてきた、貴族は貴族で色々と大変なのだなーと思っていたら。


「勇者様方がいらっしゃいました!」

「おーまじかで見ると凄いな!」

「男の勇者様のハートを射止めるわ!」

「あれが勇者ですか」

「うーむ儂の娘と結婚させることは出来ないかのぉ」


拍手が巻き起こり、私達は注目を浴びる事になった。


「後はアオ様とホムラ様でお好きにどうぞ!私は裏方なので失礼しますね!」

「セリアー、行っちゃった...」

「じゃあ俺っちも見て回るから!また後でね!」

「えー!!」


1人になっちゃった...あれ?あんな所に団長がいる。


「あれ?団長何してるんですか?」

「シィー、バレるだろ!今はシィーニヤと呼んでくれ」

「シィーニヤは何をしてるんですか?」

「結婚相手を探せと言われて居てな ...そこそこいい歳だから早めに見つけないといけないのだ」

「20歳ですよね?まだ若いじゃないですか!?」

「ああ、アオは知らないんだろうが王族は早めに、だいたい15歳くらいには婚約者探さなければならないんだ...」

「そんな早いんですか!?」

「まあ貴族も17歳からだからな、この世界だと一般的だぞ、悲しいが死ぬ確率が高いからな、年寄りで生きてるのはひと握りだけだな」

「なるほど、シィーニヤも大変何ですね」

「アオも大変になるぞ、男の視線が凄いじゃないか」

「今頭を抱えたいくらいには困った問題です...」

「まあお互い頑張ろう」

「はい!シィーニヤも!」


一方でホムラは凄い女の人に囲まれていた、胸が大きい人が多く(羨ましい)奪い合いと言った感じで大変そう。


「勇者様ですよね?私は」

「勇者!」

「あわあわ」


こちらにも男の人が集まり始めてしまった...どうしたらいいんだろ...。


「アオきて」

「はい」

「アクア家の令嬢か...」

「手は出せないな」

「ああマイハニー」


エリアスお姉ちゃんに助けて貰いベランダで外の空気を吸う。


「ありがとうお姉ちゃん」

「うん、困ってそうだったから」

「いい景色だね」

「うん、アオも飲む?」

「いいの?ありがとう」


喉が乾いて居たので、エリアスお姉ちゃんから貰ったジュースを飲んだ。


「美味しい!けどちょっと何か変」

「え?お酒だよ?」

「え?」


こうして人生初のパーティに参加したのでした。

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