第55話 進海 蒼は救助活動をする

アオ&イロー&ホムラ


「皆さん!こっちへ来てください!」


この世界には回復魔法などは無く、病院が主な治療現場となるのだが、そこへ負傷者を運ぶのが現在の仕事となっている。


「病院初めて来ました」

「俺も!」

「そうなのねー今は負傷して動けなくなった人をこの病院に連れて来て欲しいの、お願い出来るー?」

「分かりました」

「了解!」


こうして俺達は住民の救助活動をする事となった。


■■■■■


シィーニヤ&シャイニ


「遂に見つけたぞ!魔族め!」

「アハハ!見つかっちゃった!」

「ねー!楽しもうよ!」

「誰が楽しむものか!こんな事をしておいて!」

「じゃあ私と!」

「僕が!」

「楽しませてあげるよ!!」

「強化しろ!『パワーブースト』ふん!」


シィーニヤは剣を一振する、一見なんの変哲もないただの一振なのだが。


「何してるの?」

「何だろね!キャ!」


天照が吹き飛ばされる、強化した力で剣を振り風をおこし吹き飛ばしたのだ。


「妹に何をするの?ボマースライム降らせ」


すると上から小さいスライムが飛び散り降り注ぐ。


「私もちょっと怒ったからね!来て!『シルフサモン』風よ舞踊れ!」

「リリース!そろそろ僕も炎刀火之迦紅土神ひのかぐつち燃えろ!」


すると散らばったスライムが一斉に爆発、大量の木片などが宙を舞い、そこに天照の風が竜巻のようになり全てを巻き込む、月詠による炎で竜巻は火災旋風と化したのだ、しかも燃えたがれきが時より飛び出して来て更に被害を拡大させる。


「ありゃまやばいね!」

「あれを使わないと流石にあれは止められないぞ!」

「じゃあ私がやるわ!」

「頼む!」

「『ライトコンプレッサー』『チャージビーム』」


するとシャイニの前に太陽の光が圧縮されたかのようになり、次の瞬間光の濁流がおきた。

次に目を開くと竜巻は一瞬にして消されていたのだ。


「何あれー!!」

「逃げるかな!!勝てなさそう!」

「うんうん!シャドウちゃん!私達を影に!」

「まて!」


一気にシィーニヤは地面から飛び上がるが、しかし剣は虚しくも空を切った。


「くそぉぉ!!」


シィーニヤとシャイニは天月2人を逃がした上、奇襲に成功出来るという成功体験だけ与え終わってしまったのだった。


■■■■■


エリアス&ガーベラ


「爆発の音聞こえる」

「何だろ!」

「近ずいて来てる?」

「エリアスちゃん!異形の子達光ってる!まさか爆発って!」

「『ウォータールーム』」


次の瞬間エリアスとガーベラの世界は光で満ちた。


■■■■■


アオ&イロー&ホムラ


「ママ痛いよー...」

「うう...アリム...どうして...」

「パパ!死なないで!」


病院内は地獄のような光景だ、人が入り切らず外で待ってる人もいる。


「お願い!吹き飛ばして!『ウォーターボール』」

「ありがとう...」

「大丈夫ですか!?」


がれきに埋もれた人を助けるのも俺達の仕事だ、男の人の身体を肩を使い支えながら小さい身体で頑張って運ぶ、体力を増やす訓練を今良かったと思っている。

ホムラはまるでスーパーマンのように複数人纏めて抱えながら、走っているが速すぎて抱えられている人が心配だ。

自分で脱出出来ない人の多くは職業が無く、老人達は職業があっても自力で脱出出来ない場合が多い。


「埋まってる人居ませんか!」

「助けて...」

「はい!今行きます!」


でも行ってみると明らかにもうダメな人も居て俺のメンタルはどんどん削れる。

肺が潰れていたり、下半身が無くなっていたり、助かっても下半身や半身不随の人も出るだろう。


「ぐへへ」

「何をしようとしてるんですか?」

「おっと、見られたからには生かしちゃおけねぇな」

「私を助けて!お願い!『ウォータールーム』」

「ゴボゴボ」


火事場泥棒まで現れる始末だ...異世界でも悪人は余り変わらず一定数いて、人を助けながら捕まえてを繰り返し行う事となったのだ。

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