第53話 進海 蒼は見る

ボブスくんをお母さんの元へ連れて行きたいが、イロー先輩とガーベラ先輩を待たなくては。


「アオちゃん!大丈夫!?」

「探していた子を見つけました!」

「あー良かった!ボブスくんだね!皆んな探してたよ!」

「ほんとに?僕全然記憶が無くて」


こうしてボブスくんお母さんの所まで連れて行く事になった。


■■■■■


団長室


「何?パラサイトスライムだって?」

「そうですわ」

「どういう魔物なんだ?」

「人間の意識が無い間に入って寄生するんですの、ですから意識さえ保って入れば寄生される事はありませんの」

「ではアオ達が倒したのはまさか」

「ええ、行方不明になっていた子供達で間違いありませんわ」

「なんて事だ!魔族たちめ!」

「更にパラサイトスライムは厄介な点がありますの、魔族はパラサイトスライムに干渉して人を操る研究をしてましたの、異形になるタイミングも1回寄生させてしまえば魔族が決められるんですわ」

「だからいきなり街中で出現したのか!アオ達が不味い!」

「そうですわよ、だから急いで伝えに来ましたの!」

「ありがとうロワンド、私も助けに向かう!」


■■■■■


「時計見えた、ボブスくんのお母さん居たよ」

「良かったね!ボブスくん!」

「うん!お母さーん!」

「ああ...ボブス!どこ行ってたのよ!」

「ごめんなさいお母さん...」

「良いのよ...無事だったのなら」


良かった...無事にお母さんに合わせる事が出来た...。


■■■■■


「楽しみだね!」

「うんうん!」

「じゃあやろうか!リリース!」

「皆んな!パーティだよ!」


■■■■■


「ボブス?どうしたの?」

「頭がイタイヨ」

「ボブス!ボブス!どうしちゃったの!?」

「何が起きてるの!?」

「アオ、僕嫌な予感する」


俺も嫌な予感がする、明らかに喋り方が変わった?あの異形のニュアンス似てるような...嫌な想像だが。


「ウァァァ、アソァァァボァァァ」

「え?」


そこに居たボブスくんは異形に変わり、お母さんの身体を貫いていたのだ。


「ボ...ブ...ス...ゴブ」


そんな...ボブスくんが異形に?どうしたら...。


「諦めないで!アオちゃん!エリアスちゃん!」


イロー先輩が声を張り上げて俺たちに言った。


「助けられる可能性もあるんだよ!今はあの子を止めよう!」


ガーベラ先輩は落ち着いて俺たちを元気づける。


「行くよ!」

「行くよ」

「はい!」

「はい」

「『ロックチェーン』」

「『ファイヤーウォール』」

「ぎゃあああ街中に魔物が現れたァ!!」

「私を助けて!!」

「あんたが囮になりなさいよ!」


異形がボブスくんだけとは誰も言って居ない、ボブスくんに続いて色々な場所に異形が現れたのだ。


「早く動けないようにするわよ!」

「はい!」

「許して...『ウォーターボール』」

「『ウォーターボール』」

「あの子動かなくなった、良かった気絶してるだけのよう」

「ボブスのお母さん安らかに...」

「他の場所にも行くわよ!」


こうして魔族による本格的な攻撃が開始されたのだ。


「お願い助けて『ウォーターボール』」

「『ロックチェーン』」

「助かるわ!」

「はい!」


イロー先輩と俺、ガーベラ先輩とエリアス先輩のペアで鎮圧をする作戦となり別れて住民を助ける事になったのだ。


「アオっち!来たよ!」

「え!?ホムラ!?」

「シィーニヤユリカ騎士団団長から要請があったんだよ!」


何と!バラ騎士団の皆んなも参加してくれるみたいだ!これで勝てる!。


「ほい」

「嘘でしょ!?」


ホムラは鞘に入った状態の両手剣で殴り異形を一瞬で気絶させたのだ強すぎる...。


「バラ騎士団も来たみたいだ!皆んな助かるぞ!」

「やったわ!」


こうして今回の事件は鎮圧へと快調に向かったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る