第51話 進海 蒼は子供誘拐事件について知る
次の日に俺達は団長に呼び出される事となった。
「アオ、エリアスよく来てくれた」
「おはようございます」
「おはようございます」
「おはよう、早速何だが昨日あった子供が行方不明者になった件について教えて欲しい」
昨日あったボブスくんの事について団長に詳しく話す。
「そうか...最近立て続けに子供が行方不明になって居てな、アオは子供に見えなくも無い(勇者と言えないので建前)ので狙われる事を考慮して、イローとガーベラを付けたんだ、魔族の仕業だとこちらは睨んでいる」
「そうだったんですね」
「子供だけ狙うの不思議」
「ああ、エリアスの言う通り子供だけ狙うのは不自然なのだ、親も一緒に消さなければこうやって騎士団に連絡が絶対に入って来るわけだからな、計画性はあるのに情報を隠したがらない」
言われてみたらそうだ、何のために子供だけ攫うのかが謎だ。
「とりあえずイローとガーベラと協力しながら見回りにあたってくれ、子供の件はイローとガーベラに任せて欲しい」
「分かりました」
■■■■■
「はぁセリアから聞いて始めて知ったが、何故アオ達がこの件について...ビィレアルは何故教えたのだ?アオ達にはあえてこの件について教えなかったのだが、もしかしたら首を突っ込むかもしれないと思ってな、ビィレアルがこの件に関わっている?元団長がそんなわけはないだろう...とりあえず今度聞いてみるか」
嫌な不安だけが残り、事件はさらに加速する。
■■■■■
俺達は街へと見回り来たが。
「きゃー!!」
女の人の叫び声が聞こえる。
「お姉ちゃん走るよ!」
「分かった!」
叫び声のした場所まで行くとそこには、血痕と倒れた女性、傷付いた男性、そして異形の生物が居たのだ。
「ギャオルル!!ガァ!」
「助けてくれ!」
「あの人を守って!『ウォーターウォール』」
男性の寸前で異形の生物は水の壁に阻まれ止まった。
「助かった!あいつをやっつけてくれよ!騎士団のだろ?」
「そうよ!」
「は、はい、お姉ちゃん倒れた女の人運べる?」
「任せて」
すると壁を攻撃するのを辞め、壁の無い所からこちらに攻撃を仕掛けてくる。
「あいつをやっつけて!『ウォーターカッター』」
「ギァ!」
多少傷を負い、異形は怯んだようだ。
「付近の人は逃げて下さい!」
だが野次馬はなかなか居なくならない。
「あー何で逃げないの!?」
「ウァァァ!ガァ!」
すると先程とは違う泣き声?のようなものをあげながら、飛びかかって来たのだ。
「私を守って!お願い!『ウォーターシールド』」
「ガァ!」
「お願いやっつけて!『ウォーターボール』」
「ウァァァ!!ギィィィ!」
すると異形いきなり炎を色々な方向に出現させ始めたのだ!。
「不味いです!皆さん逃げて下さい!」
「うぁぁぁぁ!!」
「助けてくれぇぇぇ!」
こうなったらウォータールームで!でも周りの人を巻き込む可能性がある!ウォーターウォールはまだ円形で使えないし!どうしたら...。
「アオ大丈夫?戻った」
「お姉ちゃん!あの異形魔法使いだしたの!魔法で囲める?」
「アオも手伝ってくれたら」
「分かった」
「皆んなを守って!お願い『ウォーターウォール』」
「『ウォーターウォール』」
直後魔法が発射され、全て水の壁で防ぎきったのだ。
「やった!」
「やっつけよ、アオ『ウォーターカッター』」
「分かった!お願い!やっちゃって!『ウォーターカッター』」
こうして何とか異形を倒す事が出来た。
「アオちゃん、エリアスちゃん大丈夫?〜遅れてごめん〜」
「遅れてごめん!うちの地域でも異形のやつ居て!手間取ってた!」
「いえいえありがとうございます!」
こうして子供失踪事件と異形の出現が幕を開けたのだった。
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