第50話 進海 蒼は子供を探す

夜の寝る時間になるとエリアス先輩が来た。


「アオ寝よ」

「はい」

「私はお先に失礼しますね!お二人共おやすみなさい」

「セリアさんおやすみなさい」

「セリアおやすみ」


くっついて抱き合ってお互いの熱を感じる、今この瞬間一緒に居られるだけでもきっと幸せな事だろうから。


「僕アオが結婚しても遊びに行きたいな」

「お姉ちゃん何だから来てもいいよ」

「ありがとうアオ」


そして俺達は眠りに付いた。


■■■■■


「おはようございます!」


今日もセリアさんの声で目覚める。


「おはようセリアさん」

「おはよう」


朝礼に準備をして2人は部屋を出る、そして2人は今日から最悪の事件に巻き込まれていく事になるとはこの時知る由もなかった。


「今日も見回り頑張ろ」

「お姉ちゃん頑張ろうね」


■■■■■


街は人で賑わっている、今日もお手伝いなどすればいいだけの簡単なお仕事だ、暇だから水を操作しながら街中を歩く、しばらく歩いていると。


「ボブスどこ行ったのー!」

「あ!ボブスくんのお母さん!どうかしたんですか?」

「お昼が近くなったから、ボブスと出かけたら目を離した隙に居なくなっちゃったのよ...探すの手伝って貰えないかしら?」

「いいですよ」

「本当に?ありがとう、見つかったらそうね、あそこの時計が置いてある場所に来てもらえないかしら?」

「分かりました」


こうしてボブスくんを探す事になったのだが。


「アオ見当たらないね」

「そうだね」


別に自分達は街の地理に詳しい訳では無いので、なかなか探すと言っても限度がある。


「あ〜アオちゃん久しぶり〜」

「お久しぶりです、先輩イロー」

「堅苦しいのはいいわよ〜イローって呼んでちょうだい〜」


久しぶりで忘れかけて居たが、異世界に来たての頃に食堂で助けて貰った、イローさんだ。


「アオちゃんと〜」

「エリアス先輩です」

「よろしく」

「あ〜アクア家の子ね〜エリアスちゃんよろしく〜」

「そう言えばどうして、イローさんはここに?」

「団長ちゃんに頼まれたのよ〜あ、ペアの子ももうすぐ来るわよ〜」

「イロー居た!どこ行ったのかと思ったよ!」

「例の新人の子達見かけてね〜つい」

「この子達が!よろしく!私の名前はガーベラ!新人ちゃんよろしくね!」

「アオちゃんとエリアスちゃんって言うんだって〜」

「いや!団長から名前聞かされてたじゃん!」

「あれ〜そうだっけ?名前覚えるの苦手なのよね〜」

「まあそんな訳でよろしく!」

「よろしくお願いします」

「よろしく」

「私達隣の地域見回りしてるんだ!分からない事があったら何でも聞いてよ!」

「何でもですか?それなら男の子探してるんですけど」

「男の子?」

「はい、ボブスくんって男の子がどうやらお母さんとはぐれちゃった見たいで探してるんですよ」

「なるほど」

「私達そんなに街の地理に詳しくなくて、どこを探してもいいか分からないんですよね」

「分かったよ!先輩に任せて!探してみるから!」

「ありがとうございます」


こうして無事見つかるのかと思ったのだが。


「もう夕方...」

「1度時計の場所に行ってみようか」


時計の場所に行くとお母さんが立っていたが、そこにボブスくんの姿は無かった。


「どうやらそちらも見つかって無い見たいですね...」

「はい、すみません、他の地域の団員の人にも声をかけて見たので、見つかったらまた来ますね?今日は遅いので明日になってしまいますが」

「はい...どうか息子をよろしくお願いします...」


お母さんの悲しい顔を見ていると辛い、目を離した隙に居なくなったもんだからきっと自分を責めるだろうから。


「はぁもう帰る時間だけど見つからなかった...」

「アオ元気だして」

「ありがとうお姉ちゃん」


こうして俺達は事件に巻き込まれて行くのであった。

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