第33話 進海 蒼は夢を見る

今日も一通りの事を終え就寝準備をしていた。


「セリアさんやっぱり勇者は何か違うのかね?」

「私からしたらかなり違いますよ?」

「え」

「アオ様肌の崩れやムダ毛一切生えないじゃないですか?勇者様だから何だなって、私は思っていましたよ」

「言われてみれば」


そう俺の身体は何故か綺麗な状態が維持され続けて居るのだ、それに身体が子供寄り、不思議である。


「私からしたらいいなって日頃から思って居ますよ!結構大変何ですもん」

「そうなんだ」

「寝癖もなかなかなおらない日もあるし、ああすみませんアオ様愚痴を言ってしまって」

「いいよセリアさん、日頃から色々やってくれるし」

「女の子同士だと話しやすくて、つい話しちゃいますね、アオ様に仕える事が出来て良かったです!」


そんなこんな話して居るうちに寝る時間になっていた。


「おやすみなさいませ」

「セリアさんもおやすみ」


電気を消し俺はベッドに横になり、そのまま寝たのだった。


■■■■■


夢をたまに見たりするが、今日のは転生する時に見た神のいた空間に似ている、不思議な感覚だ。


「久しぶりじゃの」

「え」


あの時の神が夢の中に?疲れ過ぎて変な夢を?。


「俗にいう神託やつじゃ」

「なるほど」

「お主が聞きたい事がありそうなので、仕方なくじゃよ?後一つだけやる気を出させる為に言いたい事があったのじゃ」

「言いたい事?」

「うむ、世界を救ったら一つだけ願い事を叶えてやろうと思ってな、もちろんあっちの世界関連は無しじゃが」

「言おうと思ったことを先に言われた...」

「神じゃからのお」

「じゃあ大量の金とかも?」

「出来るのじゃ」

「楽しみだな」

「人を生き返らす事が出来るのは1人までじゃぞ」

「以外と厳しいんだな」

「さてお主聞きたい事はあるのかのう?今回聞き逃したら、わしは世界を救った後まで出てくる事はないからの、質問出来る時間も有限じゃ」


そう言われると焦るな、でも最初はまず勇者の事について聞くべきだな。


「勇者の身体について教えてください」

「勇者の身体はお主の好みの理想系じゃ」

「へ?」

「お主が幼い女の子の身体をしているのも、髪やムダ毛など生えないのも、人間で言うところの性癖を反映したものじゃ」


もしかしてMMORPGで理想の女の子作ってそのアバターで遊んでる認識のリアルバージョンって事なのか?性癖を公開した身体って事か...そう考えると恥ずかしくなって来た。


「お主のメンタルがやけに強いのは、病む女の子より病まない女の子を反映した結果じゃよ」

「そんなところまで...」

「魔法はお主の名前が水関係だったからじゃな」

「他に質問はあるかの?」


衝撃的過ぎて理解が追いついていない、不安にはなりやすいのにトラウマにはならないってどうなってるんだ...。

時間は有限みたいだし、ツッコミを入れてる場合では無い他の質問だ。


「魔法成長速度が早いのは何故?」

「シンプルな理由じゃぞ?勇者がピンチのギリギリで召喚されるのに戦力にならないのじゃったら困るじゃろ?」

「確かに」

「じゃあ俺たちが選ばれた理由について教えてくれ」

「若くして命を落としたからじゃの、それと今回のお主たちみたいに自分の性別と逆の職業を選ぶ人を選んだのじゃよ、後はランダムじゃな」

「何故若い人を?」

「そりゃまあ転生意思が無かったり、意思があっても他の神に優秀な人は取られやすいからのぉ、要するに他にも世界はあるのじゃよ、ここは大きい世界では無いからのぉ、あまり好き勝手選べないのじゃよ、世知辛いのじゃ」

「そんな事情があったのか...」

「次の質問でラストにするのじゃ、説明が長くなっても短くてもラストじゃぞ」


いきなりか...最後の質問かおそらくこれが一番いいだろう。


「何故この世界には前来た勇者の存在があまり無いんだ?」

「うむ、長くなるが語るとするかの」


こうして俺はこの世界の闇と光の話について触れるのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る