第32話 進海 蒼は休めない
王子に襲われた次の日俺はいつも通り朝礼に参加していた、セリアには「昨日あんな事があったんですし...休んでもいいのですよ?アオ様」と言われたが、高校生の頃風邪を引いても学校に行き、皆勤賞を取っていたくらいには休むのが嫌なので、今日も出る事にしたのだ。
朝礼終了後俺は団長に呼び止められた。
「アオを少し借りるがいいかい?」
「はい」
「アオでは団長室へ行こう」
「分かりました」
エリアス先輩はちょっとだけしょんぼりしていたが、団長が優先だ仕方ない。
■■■■■
団長室に入った瞬間団長が。
「愚弟が済まなかった!」
「団長さんが頭下げないでくださいよ...」
「実際は私の気持ちの問題だが、家族が迷惑をかけたんだ謝らねばならない」
「私は大丈夫ですよ」
「恐怖は当分消えないだろう、だからこそ私は謝りたかったのだ、もう1人の勇者様が間に合わなければ最悪な展開も有り得たのも事実としてある」
「...」
「もう少しアオは甘えてもいいはずなんだ、色々な物を抱えているのだから、今日はアオは休んで貰っても構わなかったんだが」
「それでも私は頑張りたいです、王子に負けないように、それに謝罪なら王子にして欲しい」
「そうか...アオは強いな、無理だけはしないでくれ」
「ありがとうございます」
俺は休む事が嫌いであると同時に怖いのかも知れない、1度休んでしまうとずっと休んでしまうかも知れないという恐怖が、団長は強いと言って居るが俺は強いわけでないはずだ。
「後王子の件だが秘密にして欲しいのだ」
「秘密ですか」
「戦争中に王族が勇者を襲ったなどと噂をながされたら、この国の指揮は下がり、終わるくらいにはかなりギリギリなのだ、実はな」
「そういう事なら分かりました」
「戦争はおそらく1年後に本格的に始まるだろう、勇者様方がどれだけ強くなるのかは分からないが、その時には戦争につもりくらいの気持ちを持って欲しい、重ね重ね勇者様方には負担をかけて済まない」
「はい」
こうして団長との話を終えたのだ、やはり休んでいる暇はなかったのだ、俺はもっと強くならなければならない。
■■■■■
こうして団長室から出た後エリアス先輩と訓練所で合流したのだった。
「アオきた」
「エリアス先輩来ましたよ」
「待ってた」
「じゃあやろ」
「はい」
団長から1年後に戦争が本格的になると言われたが、どうなる事やら魔法は最初の頃よりはかなり強くはなったがこのペースで俺は戦えるのか、かなり不安である。
「アオ、魔法成長、はやい」
「そんなに早いですか?」
「僕よりはやい、本当に平民?」
「もしかしたら特殊な家系なのかも知れませんね、ははは...」
「アオ、不思議」
今まであまり触れて来なかったが、俺の身体は一体何なんだろうか?、寝癖が無かったり、魔法成長速度が早かったり神はそんな事一言も言って居なかったが。
聞かれてないから答えなかったパターンかも知れない...それなら最悪だ。
それによくよく考えたら王子の件もかなり平気な気がする、不安になりやすくは無かったがメンタルはここまで強くは無かったはずだ。
「アオ、大丈夫?」
「考えごとしてました」
「良かった、じゃあ頑張ろ」
「はい!」
こうして今日も俺は訓練をするのだった。
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