第34話 進海 蒼は勇者を知る

「さての、本当に長々と話してしまうと収まらないのじゃよな、要点だけ纏めるかの」


そう言って語られたのは俺に取って信じ難いものだった。


「勇者の情報が知られてない、もしくは無い理由なのじゃが初代へラクスと初代スヘラが隠蔽したからなのじゃよ」

「隠蔽?何でへラクス側まで隠蔽したんだ」

「勇者の1人がスヘラ側についたからじゃの」

「何でそんな訳の分からない自体になったんだ」

「人質じゃよ、スヘラは勇者の女の子を人質に取ったのじゃ、そして男の勇者はスヘラ側に付く事になったんじゃよ」

「そんな...」

「しかもスヘラは勇者達を魔族のつがい相手に選ばせた、男はスヘラと子を成したそうじゃな、女の勇者は身体がボロボロになるまで子を産む機械となり、酷い運命を辿ったのじゃ」

「そんな酷い事を...」

「へラクス側も勇者がスヘラと子を作ったなどと民に説明は出来ずな、闇の歴史として王家だけの秘密にし、民には死んだ事にしたのじゃそれで結果対した情報が残らなかったのじゃよ」

「何故勇者が死んだ後スヘラは戦争を仕掛けなかったんだ?」

「勇者が大半の魔族や魔獣を討伐したからじゃよ、スヘラに余力は残っていなかったのじゃ」

「男の勇者はなぜ女の勇者が死んだ後何もしなかったんだ?」

「何もしなかったんじゃなく何も出来なくなったんじゃよ、スヘラの闇魔法によってスヘラが途中から女の勇者に見えるようになったのじゃ」


救いは無いのか...無くなった勇者達は報われないな...。


「ではのアオよ、お主の奮闘を期待しておるぞ」

「はい」

「最悪の運命が待っていたとしてもアオ、お前に負ける事は許されない、進み続けろ」

「え」


■■■■■


目が覚めると朝だった、神に最後何かを言われた気がするが思い出せないかなり不安を煽るような言い方だったような...。


「おはようございます!アオ様!」

「おはようセリアさん」

「何やら不思議そうな顔をなさっていますね!」

「ああ、神にあっ」

「え!神様に会ったんですか!?まずいです!誰にも言わないでくださいね!」

「どうして?」

「一大事何ですよ!神を信仰する教会カラーバ教に知れてらかなり不味いんです、ほら勇者様達って1部の人以外には一般人扱いじゃないですか?」

「そうだね」

「一般人が神託受け取ったなんて話したらどう思います?」

「大騒ぎになる?」

「正解です!言わないで下さいね!」

「分かったよ、ホムラは大丈夫かな?」

「まあ大丈夫でしょう!バトラーズさん付いてますし」

「信じようか!」


朝から一悶着あったがまあ大丈夫だろ!でもこれはフラグじゃ無かろうか?。

こうして準備を終えクラムチャウダーを食べ、俺は朝礼へと向かったのだ。


「アオ、うう、やほ」

「エリアス先輩大丈夫ですか?」

「毎月の、大丈夫...」


大丈夫では無さそうだ、朝礼が終わったら団長に言うべきだろう。


■■■■■


「団長エリアス先輩が具合悪いそうです」

「アオ、大丈夫」

「月の日か...エリアス今日は休め、後輩に醜態を晒す訳にもいくまい」

「はい...」


俺がよく分からないがエリアス先輩は休みになったようだ、月の日とは何だ?。


「団長月の日って何ですか?」

「え?ああアオはまだ来ていないのか、来たら分かるさ、セリアに教えて貰うといい」

「分かりました」


今日は結局1人で練習して、1日終わってしまったのだ...以外と1人で練習は寂しいものだ、俺の中でエリアス先輩の存在はなかなか大きいのだった。




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