第30話 進海 蒼は王子とお話をする

何故か分からないけどお茶会に誘われた俺は、王様との謁見後ふたたび王子の部屋で会うことになったのだ。

ホムラには「誘われる程可愛いって事でしょ?良かったじゃん!」とか言われたが何がいいのか分からない...何か付いて来てくれはするみたいだ、流石に部屋の外までらしいが。

部屋に戻った俺はセリアに王子の事について言われたのだ。


「アオ様には言って置きますが王子様には良い噂をあまり聞きません、注意してくださいね?」

「分かった、ありがとうセリアさん」

「アオ様、気をつけて下さいませ」

「心配し過ぎだよ、セリアさん」


セリアは不安がっては居たが、流石に勇者を殺したりする様な事はしないだろう。

部屋から出て、フラワーガーデンの領域を抜けて、バラ騎士団領域付近へ来た案内はホムラがやってくれるらしい、バラ騎士団側は特に女性が入ってはダメとか無いみたいだ。


「ありがとうホムラさん」

「ホムラでいいよ!アオっち!」

「ホムラは何で一緒に?」

「何か嫌な予感がする?から付いて行きたくなったんだよね」

「よく分からないけど、死ぬ事は無いでしょ?」

「多分そうだけど、部屋着いたよ」

「じゃ行って来るよ」

「じゃ!行ってらっしゃいアオっち!」


ホムラはそう言って自分の部屋へ帰ったようだ。

部屋へ入ると王子が待っていたようだ、テーブルに座っており、お菓子が置いてあるようだ、本当にただのお茶会のようだ。


「来てくれたか!」

「ええ」

「さあ座ってくれ」

「はい」

「お茶とお菓子は好きに食べてくれ」


俺はふかふかな椅子に座り紅茶を飲んだ、ふんわりとした茶葉の香りとともに少しだけ来る渋み、きっとお菓子も一緒に食べると幸せにしてくれるだろう、緊張した俺を落ち着かせてくれる温かみはとてもいい。


「アオ?だっけ」

「はい」

「好きな人とか居るの?」

「居ません」

「以外だね、俺の事はどう?」

「どう?と言われても...初対面ですし」


初対面なのにグイグイ来るな...どうしてだろうか?。


「俺君見たいな子が好きなんだよね」

「そ、そうなんですか」

「照れてる顔も可愛いね、一目見たときから気になってさ、だから俺お茶会に招待したんだ」

「そうなんでふか」


何か頭がふわふわして来た、急に眠気が俺を襲う。


「ようやく効いて来たようだな」

「ふぇ?」

「勇者様にはあまり効かないかもと思って不安だったが、しっかり効くから安心だ紅茶に入れていたが混ぜても全然だな」


王子はニヤニヤしながらこちらに近ずいて来るが俺は何の抵抗も出来ない、王子に持ち上げられてベッドの上まで運ばれた。


「このくらいの幼い体型が俺は好みでさぁ、今までにも何人かやったはあるが、勇者様でなおかつ初めては、背徳感がたまらねぇなぁ」


王子にニヤついた顔で俺の服を破って来た、ピンチなはずなのに身体が動かせない、怖いよ...誰か...助け...。


「安心しな勇者様、起きた時には全て終わってるからよ」


そうして俺が最後に見た景色は歪んだ王子の顔だった。

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