第28話 進海 蒼は呼び出される

今日も訓練を終えて、エリアス先輩と入浴、食事に行こうとしたが急に団長に呼び止めらた。


「アオ、ちょっといいか?エリアスにはすまないがアオと話したい事があって」

「分かりました」

「団長どうしましたか?」

「とりあえず、団長室へ来てくれ」

「はい」


とりあえず、俺は団長に付いて行き団長室へ向かった。


「端的に言うと勇者にとってかなり不味い事になった」

「え?」

「あの愚弟が勇者様に会いたいと、お父様に言い出したのだ」

「それはまた何故ですか?」

「お父様が勇者様の話しをしたらどうやら興味を持ってしまって、という経緯らしい」

「断れますかね?」

「断ってくれても構わないが、おそらく駄々をこねるだろうな、男子禁制と言ってるのにフラワーガーデンへ入るような奴だ」

「1回合うしか無い見たいですね」

「すまないが頼む、勇者様」


はぁ、明らかに面倒な事になった、あまり会いたくは無いが会うしかないのだろう。


「急で悪いが明日頼めるか?」

「はい」

「服などは今日中に届けさせる」

「はい、え?」

「どうした?」

「いや服を届けさせるって」

「ああ、正装だと色々おかしいだろうかと思って、セリアに聞いてドレスを着てもらう事になった」

「最初から明日にするつもりだったんですね...」

「すまないな、暴れられても困るので早めにやらなくては行けなかったんだ」

「頑張ります」

「よろしく頼む、エリアスにはアオは特別訓練をしてると言っておくから」

「分かりました」


こうして明日、あの男と会うことが決定してしまったのだった。

お風呂や食事を済ませ、また部屋に戻るとセリアさんがドレスを持って待っていた。


「ドレスがアオ様がご食事中に届きましたので、ワクワクしながら待っていました!」

「ワクワクして待っていたのか...」

「アオ様は可愛いですからね!私は気になりますよ、どんな服が似合うか!」

「か、可愛いって」

「アオ様照れても可愛いですね、自信持って下さい!」


こうして俺はセリアの着せ替え人形みたいに色々な服を着せられたのだ。


「これがいいかもしれませんね!」

「やっぱり恥ずかしいんだが...」

「似合ってるからいいじゃないですか!」


俺が着させられたのは肩をだしたタイプのドレスでスカート部分には青の星が散りばめられていて、全体としては純白がモチーフとなっているらしい。

鏡で見ると実際可愛い、癖になりそう...、危ない、危ない何かに目覚める所だった、耐えた俺は耐えたのだ。


「明日はこれで行きますか」

「頑張るしかないか...」


こうして明日の準備も終わり、パジャマに着替えなおして寝たのだった。

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