第21話 進海 蒼は棒術を習う

お昼休憩が終わり体力作りの為に走った後体術の訓練かと思ったが、今日は棒術を教えて貰えるようだ。


「木の杖使う」

「見てますね」

「歩きかたと身体の動かしかた大事」


エリアス先輩が杖を振る度に『ブォン』と音がなっている、あれはくらったらひとたまりも無さそうだ。


「杖使う、魔法出す時のイメージ、しやすい、だから、杖」

「なるほど」

「僕は体術、棒術どっちも出来る」


エリアス先輩はきっと新人の中ならかなり優秀だろう、俺も速く強くならなくては。


「棒術は、杖の持ち手の太くなってるとこを当てる、出来るだけリラックス、当てるときに体重をのせる」

「難しいですね...」

「僕、やったら出来た」


リラックスしながら体重をのせて当てるって、訳が分からないやっぱりエリアス先輩がおかしい気がしてきた、これが天才か。


「アオ、杖持つ」


そう言ってエリアス先輩は杖を渡してきたのだ、持って見るとそこそこ重い、体感1kgぐらいだろうか?


「危ないから当てない、本当は頭、胸、首、狙う」

「急所ですか」

「そう、男なら股狙う」

「え」


怖いすぎる、痛さは元男なのでよく分かるが悶絶して戦いところでは無くなる。


「身体に合わせて、杖をこう」


気が付くと杖が顔スレスレで止まっていた。


「これで当たれば魔法使いなら終わり」

「見えませんでした」

「アオもやってみて」


その後杖を振る練習をした、『杖を身体に合わせて遠心力と身体のバネのように使っている』とエリアス先輩は言っていたが全く何を言っているのか分からない、とりあえず地道に当てる練習をするしか無いのだろう。

適度に休憩をしつつ、4時間棒術の練習をするのだった。


「アオ、お疲れ様」

「鐘の音だ...」


エリアス先輩はあまり息をきらしていないようだ、やっぱり体力が目に見えて違う、とりあえず汗だくなのでお風呂に行きたい...。

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