Another21 ある日の回復
それから数日後…
武「すまなかったな。錬くん。あれから体調は良くなった」
里子「それだけじゃないわ…。病院の先生からも驚かれたのよ?あり得ないって…どんな魔法を使ったの?」
錬「まぁ、魔法と言いますか何と言いますか…。でも、感謝なら瀬那…彼女に言って下さい。俺の力だけじゃ無理でしたからね」
里子「あの子が?」
錬「それに、瀬那の母親であるあなたのたちの娘さんにもね…」
武「アイツが…?信じられん…」
錬「色々あった結果、お2人を救う条件として、もう今後は2度と瀬那共々関わらないという事になってしまいましたが…」
武「それでも信じられんよ。瀬那の件でほぼ絶縁状態だったからな!」
里子「でも、娘にも感謝しなければいけませんね。おかげで瀬那の嫁姿も見れそうですし」
そう言ってチラッと錬を見つめる里子。
武もつられて錬を見る。
武「まぁ、色々あってお付き合いをしていると言う話をする為に来たんだったかな?話はちょっと流れてしまったと思うが…どうだ?」
錬「あの…どうだ、とは?」
武「瀬那を嫁にだよ?」
錬「へぁ?」
里子「あら?嫌なんですか?」
錬「えっと…嫌ではないですけど…彼女はまだ未成年ですし…」
武「大丈夫だ!今年誕生日を迎えると16歳!世界で共通の成人になる!」
里子「それに、親の同意があれば高卒前の18歳以下であっても結婚できますからねぇ…」
付き合う話から突然飛躍し、錬が返答に困っていると丁度瀬那が学校から戻って来たのだった。
瀬那「あれ?錬さん?」
武「瀬那、丁度いい。彼の隣に座りなさい」
瀬那は促されるがまま、錬の隣に座る。
武「瀬那、お前はどうなんだい?」
瀬那「えっと…何が?」
里子「貴方は錬さんのお嫁さんになる事よ?」
瀬那「あっ……えぇとっ……れ、錬さんは…今は彼氏で…そのっ……結婚だなんて!」
こちらを上目遣いで見てくる瀬那。
可愛い…じゃない!なんだかとんでもない事態になっている事に冷や汗をかいていた。
里子「それじゃ、瀬那は結婚する気はないのかい?」
瀬那「す、する気がないわけじゃ!わ、私は……そ、その…錬さんが良ければな〜…って…」
錬「はぇ?」
武「で、錬くんはどうお考えかな?」
凄く返答に困る…それに3人からのプレッシャーが凄い。
幾度となく死線を潜り抜けて来たと思っていた自分もこの状況はのりきれないのではないかと感じた。
…………
錬が帰宅した後の七海家
瀬那「錬さんに嫌われちゃったかな…」
声のトーンを低くする瀬那。
武「大丈夫だろうさ。彼はそんな簡単に瀬那を嫌う人間じゃないということはわかったからな…」
里子「それに約束してくれたじゃないか。“結婚を前提にお付き合いさせていただきます”ってね?」
武「戦いの事も聞いた。彼が少し迷っていたのはそのせいだろうな。瀬那、お前は覚悟はあるのか?」
瀬那「覚悟?」
里子「もしも、だよ?錬さんの身に何かあったとしたら…」
瀬那「私は覚悟してるよ?もちろん、錬さんは勝ってくるって信じてる。だけど、もしも…何かあったら…錬さんがどんな事になっても私の元に来るのを待ってる!」
武「そうか…なら話は早い!彼のご実家に挨拶に行かねばな!」
里子「そうですねぇ!そうとなれば早速連絡しましょうか!」
意気揚々と2人は錬の実家に連絡を入れて、誠達と次の日週には会う事を取り決める。
両家顔合わせた時には錬は不在だったという。
そして、錬の知らぬ間に色々な事が約束されていたという。
その後、ある日のことの冒頭へ続いていくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます