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Another ?
「くそぉ!くそぉ!」
壊れゆく彗星を見て喚いている人物がいた。
あと少しで彗星が完全に破壊される。
自ら呼んだ彗星を破壊しようとしていた憎き魔法装甲は目の前で爆発する。
爆炎が晴れた先には満身創痍の姿が見てとれた。
それを見て喚いていた人物は高笑いをあげた。
「ふ…ふはははは!ほら!バチが当たった!僕の邪魔をするから!」
その直後から風がどんどん強くなる。
普通ならば立っていられないような風になって来ていたが、その人物は力を使い自分の邪魔をした人物の最後を見る為に目を輝かせその様子を見ていた。
「さぁ、終わりだよ…諦めろぉぉー」
歓喜の声をあげて、残った彗星と憎き敵の魔法装甲を見ていた。
だが、そんな彼の期待を裏切るかのような現象が起こった。
周囲の魔力があの装甲へ集まって行っているのがわかったからだ。
彼にはあの邪魔者がまた、何か良からぬ事をするということだけは理解できた。
強力な一撃、それを与える恐れが出て来た事は自分の計画が全て無に帰す事を示していた。
「何を…何をする気だ!」
どんどん膨れ上がる力。
そして、そんな装甲へ一本の大剣が飛んでいく。
多分、この嵐が巻き起こした風が舞いあげたものだろうと彼も思っていた。
装甲の元へ飛んでいく剣を見つめ呟く。
「そうだ…そのまま奴を切り裂け!」
だが、その期待も直ぐに破られる。
飛んできた剣を装甲は難なくキャッチしたからだ。
そして、その装甲は彗星へ向けて特攻した。
「やめろやめろやめろやめろー!」
その声も虚しく、一撃を彗星に加え破壊する。
辺りは閃光に包まれしばらくは目を開けられない状態だった。
次に目を開けた時は、空には彗星の影も形もなくただ、晴れた空だけが広がっていた。
憎き敵の魔法装甲の姿はない…あの衝撃で吹き飛ばされたか、はたまた消滅したのかはわからない。
憎き敵は消えたが長年進めてきた計画は全て無駄になった。
新たに計画を進めるにしても、物資も何もない状況…邪魔な組織もできてしまった事もあり表立って動けない事になってしまっていた。
「終わりか…こんな幕切れなんて…僕は…」
敵の組織の船が此方に向けてきているのが確認できた。
だが、そんな彼等より先に自分を捉えた影があった。
「こ、これは…!?」
そして、声が自分の頭に声が響く。
“リコン。オマエニハ、マダヤッテモラウコトガアル”
巨大な手の影は自分を拘束していたモノを破壊し、自分の身体を掴む。
「ま、まだ!僕は…」
“イマハマダ、ウゴクトキデハナイ…イマハマダ…”
暗い影が全身を包むとリコンの意識は闇に溶けていった。
リコンがいた場所には、彼を拘束していたという証拠だけが残っていた。
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