信条錬編
Another16 ある日のこと
彗星戦争が起きる1年前
2010年 8月
錬は1人東京の魔皇がある区の近くのマンションの一室にいた。
錬「ここしばらく忙しかったから片付けしてなかったな…」
散らかった部屋をみて錬は片づけを決意する。
1時間後、あらかた片づけと掃除が終わり、そろそろ晩御飯の時間が迫るころ錬の部屋へ訪問してくる人物がいた。
ピンポーン
錬「はーい。鍵開いてるから勝手に入ってー」
荷物も何も頼んでおらず、いつもこの時間帯に来るのは琳や綺、ウルが多かったので錬は冷蔵庫を確認しながら返事をする。
「おじゃましまーす」
女性の声が聞こえる。
綺ではなかったので誰か間違って入ってきたのかと思い確認すると…。
錬「せ、瀬那!?」
瀬那「あはは!来ちゃいました!」
大きな荷物を持ち現れたのは恋人である瀬那であった。
錬「その…荷物は?」
瀬那「決まってます!錬さんと一緒に暮らすために来ました!」
錬「ちょ、ちょっと待て!君はまだ未成年…」
瀬那「今年16歳になったのでもう成人扱いですよ!それに、おじいちゃんとおばあちゃんにはちゃんと許可とってきましたし、何の問題はありません!」
錬「学校は?」
瀬那「ここから近い所に決まりました!」
錬「だとしても君はアイドル歌手…」
瀬那「詩織さんとも話して今日のライブでアイドル歌手から普通の歌手になりますと皆さんに宣言したのでそちらも大丈夫です。それに…」
頭を抱えていた錬に追撃をかけるかのように瀬那はバッグをサガサ漁ると一枚の紙を取り出した。
錬「あの~…瀬那さん?これは?」
瀬那「何って、婚姻届ですけど?」
可愛く首をかしげる瀬那。
錬「えっと…保証人の欄に俺の両親の名前あるんだけど?」
瀬那「おじいちゃん、おばあちゃんは反対なかったので、3人で錬さんの実家に挨拶にしに行ったんです。そしたら快く承諾してくれて書いてくれました!」
錬「ちょっと待ってくれ…」
矢継ぎ早に迫ってくる瀬那を待たせ、錬は実家に連絡をする。
誠「おう、久しぶりだな!」
錬「久しぶりじゃねーぞ!どういう事だよ!」
誠「ん?あぁ、同居許したことか?それとも婚姻届に記入したことか?」
錬「どっちもだよ!全く連絡なかったじゃねーか!」
誠「だってお前連絡しても返事なかったしな…」
確かに最近まで忙しくて重要な連絡を9割残りの1割は瀬那みたいな感じになっていた。
錬「・・・・・・・」
誠「ハハハハ!その様子だと押しかけられたか!」
錬「笑い事じゃ…」
そう言った時だった。
電話先の誠の口調が変わったのがわかった。
誠「それにな、彼女一緒に暮らしていたおじいさんとおばあさんと共に家に来てな。きちんと学業と歌手業どちらも疎かにしないから一緒にいさせてほしいと頭を下げに来たんだ。俺も母さんもその熱意に負けてな…あれだけ真剣な表情はお前がルナを保護してほしいって言ってた時と同じだったからな!」
錬「そうか…」
誠「それに、もう少しなんだろ?だったら察してやれ、大切な人と一緒に居たいという想いをな」
錬「わかったよ」
そして、連絡を終えると改めて瀬那に向き直る。
錬「ふぅ…」
瀬那「ごめんなさい…やっぱり、迷惑でしたよね?」
荷物を持ち玄関に向かおうとする。
錬「とりあえず、お腹減ったからさ晩飯作るの手伝ってよ?」
瀬那「えっ?」
錬「廊下の先に一部屋空いてるからそこに荷物を置いてきなよ」
瀬那「は、はい!」
瀬那は急いで空いている部屋に荷物を置き、錬が支度している台所へ急いだ。
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