第156話 錬の秘策

1週間後、錬はハバキリとそれに関わる国の代表達の会議があるというとこでそれに参加する為に出席していた。




ドワーフ王「魔装砲の進捗状況は順調だ。観測された状況からも我が国も他の国も何とか間に合いそうだ」

エルフ女王「…信条錬…全ての国へ今回の技術の提供の件如何するのです?リコン側についた国に対して何もお咎めがない、それだけでなく魔装砲の技術を授けるなど…大量破壊の兵器を預けるようなものです。それにその国もリコンとの繋がりが切れたと補償もない!」

瑠衣「…ですが、錬さんの提案がなければ世界中はまだ混乱していた筈です。彗星の破壊の計画も恐らく錬さんでなければ思いつかなかったでしょう」




各国の代表が様々な意見を述べる中、錬はようやく口を開く。



錬「勝手に技術を世界にばら撒いたことお詫びのしようがありません…。ですが、これも1つの策なんです」

米大統領「策だって?」

錬「はい。リコンの装甲を破壊しない限りもしかするとまた同じような事が起こるかもしれません」

エルフ女王「ですが、リコンもその勢力も姿を消したまま消息が知れない…」

錬「今のところ観測された彗星や大きな隕石はコチラに向かっている1つしかありません。それを破壊するための策などを世界に発信したのは…」

レビア「なるほどな…その彗星が破壊される可能性があれば奴は必ずしゃしゃり出てくると?」



錬はゆっくり頷く。



錬「日本皇国の魔装砲はもう直ぐ完成予定と聞いてます。ですから、1週間後に彗星が計算上射程圏内に入る予定です。そこで日本皇国の魔装砲を初めに彗星へ向けて発射します」

ドワーフ王「それでは破壊できないのでは?元々、10以上の魔装砲を一斉に目標へ放つ事で破壊するという計画の筈だが?」

錬「完璧な破壊まで行かなくていいんです。わずかでも彗星を削れたり、ヒビを入れるだけでね」

ウル「見せつけるんだな?リコンに?」

錬「あぁ、彗星を破壊出来る準備がある事を悟らせる。そうすれば奴は黙っていられない筈。奴も自分自身と残りの戦力で魔装砲を破壊しにかかるでしょう」

フランス首相「だが、それだと何処に奴が現れるかわからないのでは?申し訳ないが、我らの装甲では奴らの対応は不可能だ!」

瑠衣「わかりました。その為の大型のダミーですね?」

錬「はい。今回放つ予定の魔装砲とはまた別に2回り以上大きい魔装砲を日本皇国の戦場になった場所に作らせてます」

エルフ女王「成程。日本皇国にあるものが本命と錯覚させリコンをおびき寄せるんですね?」

錬「その為、日本皇国の魔装砲モドキの防衛に一番艦ニエド、二番艦蒼穹、自分の飛燕と琳の桜流、綺の桜花で対応します。他のハバキリの部隊員は各国の魔装砲の守りについてもらいます」

瑠衣「しかし、戦力を分散するとなれば…」

ラウ「問題ない!」

マキシム「自分たちの生まれた国は自分たちがカバーする」

梁「1人1国の守り位できなくてはナ」

アミダ「だから魔装砲4つの守りは問題ない」




それを聞くと、エルフの女王とドワーフ王は顔を見合わせて互いに頷く。




ドワーフ王「我らドワーフ里と」

エルフ女王「エルフの里は大丈夫。ハバキリに属しているクルールとラナ。2人は別の国の守りへ当てて下さい」



そうそう言い終えた2人に続くようにレビアが発言する。



レビア「我ら魔族の方も守りは不要だ。戦力的にも他国よりはマシな筈だ。だからウルは他の国の防衛を任せた方がいいだろう」

ウル「その言葉本当だな?」

レビア「二言はない。命をかける覚悟で挑ませてもらう」



とりあえずこれで今建造している魔装砲の守りの件は片付いた。

後は完成を待ち、レビアの装甲と彗星を馬鹿するだけだ…錬は会議が終わる中そう思っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る