第152話 オーバードライブ
目の前で爆散した尊の魔法装甲。
嘲笑うように声を出しているリコン。
燃えたぎるような怒りが錬の身を駆け巡るのがわかっていたが、頭は冷静になっていた。
飛燕:マスター。以前のように装甲にマナが集まり始めています。
錬「わかってる。自分でも不思議だ…。前は意識にモヤがかかるような感じだったが今はそれが全く感じられない…身体の負担もあまりないように思う」
そう、今飛燕に普通以上のマナが集まり魔核炉も
更にレビアの機体を回収し取り出して付けた魔力集積を阻害する装置だという
リコン「へぇ…マナを集めて力に換えるか…。だけど、僕の前ではそれは無意味さ!」
リコンの魔法装甲は飛燕に集まり変換されていく魔力を奪おうと装甲に搭載していた魔力集積の装置を起動する。
周りの魔法装甲や魔導装甲の魔力が根こそぎ奪われていく…だが、それもほんのひと時だった。
リコン「ハハハハ!………あれ?」
リコンは辺りの様子がおかしい事に気がつく。
普通であれば周りの全ての魔力を吸い尽くし、動けるものはないはずなのだが目前にいる錬の飛燕だけでなく、周囲で戦っていた装甲たちも立ち上がりコチラを見つめていたのだ。
リコン「おかしいな?」
リコンはもう一度魔力集積装置が稼働している事を確認する。
正常に稼働しているようだが、何故か最初に吸い取った量から増えていない。
リコン「お前!何をした!?」
飛燕に掴み掛かろうとするが、逆に飛燕から掴み掛かかられてしまう。
リコン「グッ…!こ、こいつ!なんて力だ!離れない!」
両肩を掴み掛かられていたリコンの魔法装甲にアラートが鳴り響く。
リコン「な、なんだ!?両肩の装甲が破損!?そんな!馬鹿な!
錬「不思議と今ならお前を凌駕できる気がするよ…」
リコン「ふ、ふざけるな!僕は始祖の力を扱えるんだ…始祖の遺産を扱えるんだ!負けるはずは!?」
錬「言いたい事はそれだけか?」
リコン「そんなに僕にくっつくなんて、死にたいのか?なら死ね!」
リコンの魔法装甲の腹部から砲門が現れゼロ距離で発射される。
リコン「ふ、ふふふ!やっと離れたな!それに魔力砲の至近距離の攻撃…いくらお前の装甲といえど……」
煙が晴れた先にいた装甲の姿にリコンは言葉を失う。
至近距離で撃ったはずなのだが自分の目の前にいたのは傷もなく佇む錬の飛燕の姿があったのだったから。
錬「リコン…お前の計画…止めてみせる!」
リコン「お前如きに!」
再び激突する2体。その余波は周囲の建物すら吹き飛ばす程だった。
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