第161話 最後の手

彗星は無常にも落下をする為地球へ近づいている。




錬「どうする…時間もない…これ以上手は…」

『…い………るか…?』



錬がコックピット内で悩んでいると、通信が入る。

どうやら、不時着したニエドからのようだった。



錬「その声…レビックさんか!?無事なんだな?」

レビック『あぁ、こちらは俺を除いて全員二番艦へ避難した。全員ピンピンしてるから大丈夫だ!』

錬「よかった…」

レビック『錬、さっきのお前さん達のやり取り聞かせてもらったぞ…。ニエドの機関を暴走させればあの彗星を破壊できるかも知れないんだな?』

錬「あくまで可能性だ!確実だとは…」

レビック『お前さんらしくないな?普段のお前さんなら出来ることはやるんじゃないのか?』

錬「だけど、それをぶつけようにも艦自体を稼働させながら機関を暴走させるには魔力もマナも足りない…集まるにしても時間が…」

レビック『どうした?』

錬「いや…魔力を集める方法ならあるかも知れません…」




錬はリコンの魔法装甲を見る。



錬「レビックさん、今からあるものをそちらへ運びます!」



錬はリコンをその場に置き、リコンの魔法装甲を抱えニエドへ向かった。




レビック「成程…こいつの魔力を集めるという装置を使うのか」

錬「えぇ、コレを壊しておかなくて良かった」

レビック「早速、コイツの動力部とニエドの動力部を簡易的な処置ではあるが繋がるか!」



30分程の作業で終わらせ。作動させる。

衝突まであと30分。魔力は順調に集まって来てはいるようだが暴走させるまでには至らない。



レビック「クソっ!魔力が全然集まらん!ダメか!」

錬「もう打つ手はないのか!?」

スカイ:マスター。集積パターンを魔力からマナに変更させればあるいは…。

レビック「そんな事が可能なのか?」

スカイ:可能です。しかし、それ用には調整されていないようですので、書き換えを行い稼働させれば短い時間稼働した後確実に破損するでしょう。

レビック「それを行って成功の確率は?」

スカイ:控えめに言って50%です。100%に近づける可能性は1つ…。マスター…。

錬「瀬那…」





そう、彼女のマナを活性化させる歌の力を使えば可能性を格段にあげられる。

錬は自分の恋人の名前を呟いていた。

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